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大人の歯列矯正ガイド|種類と費用と選び方までを矯正歯科医が解説blog

2025.06.30

大人の歯列矯正の重要性と基礎知識

歯並びの悩みは子どもだけのものではありません。実は、大人になってから「もっと早く矯正しておけばよかった」と後悔する方が非常に多いのです。

きれいな歯並びは見た目の印象を大きく左右するだけでなく、健康面でも重要な役割を果たします。歯並びが悪いと、食べ物がうまく噛めなかったり、歯磨きが行き届かず虫歯や歯周病のリスクが高まったりするのです。

さらに、不正咬合(歯並びの不具合)を放置すると、口臭の原因になったり、顎関節に負担がかかって顎関節症を引き起こしたりする可能性もあります。最悪の場合、全身の健康にも影響を及ぼすことがあるのです。

あなたは鏡で自分の歯を見て、「この歯並びをなんとかしたい」と思ったことはありませんか?

「でも、大人になってからの矯正って効果があるの?」「費用はどれくらいかかるの?」「痛みは大丈夫?」こんな疑問を持つ方も多いでしょう。

結論からいうと、大人の歯列矯正はいつからでも始めることができます。小児矯正とは違い、歯の成長が完了している大人の場合は、「いつ始めるか」よりも「いつまでに完了したいか」を意識して計画的に進めることが大切です。

大人の歯列矯正のメリットとデメリット

歯列矯正を始める前に、そのメリットとデメリットをしっかり理解しておきましょう。治療期間は長く、費用も安くはありません。だからこそ、メリットとデメリットを天秤にかけて、自分にとって最適な選択をすることが重要です。

大人の歯列矯正の3つのメリット

まず、大人の歯列矯正の最大のメリットは、見た目のコンプレックスが解消されることです。笑ったときにガタガタの歯並びが見えるのは辛いものですよね。

歯並びが悪いせいで口がきちんと閉まらなかったり、滑舌が悪かったりして人と接することが億劫だった方も、矯正治療によって積極的に人と関わることができるようになります。自信を持って笑顔になれる喜びは何物にも代えがたいものです。

次に、虫歯や歯周病の予防になり、お口の健康を維持できることが挙げられます。歯並びが悪いと、歯と歯の隙間に歯ブラシが届かず、十分な歯磨きができません。

そのため、汚れや食べかすが付着したままになり、虫歯や歯周病が進行しやすくなるのです。また、歯並びのせいで常に口が開いたままの場合、口が乾いて唾液量が減少し、お口のトラブルのリスクが高まってしまいます。

そして、大人の矯正の場合、成長による影響が少ないため、治療スケジュールが予測しやすいというメリットもあります。今始めればいつ頃には治療が終わるという予定が立てやすく、想定外に矯正期間が長くなって費用や精神的負担が増えるといったことを軽減できるのです。

大人の歯列矯正の3つのデメリット

一方で、治療中の見た目が気になるというデメリットもあります。治療が終われば見た目のコンプレックスは解消されますが、治療中の見た目の問題は大きな悩みになることがあります。

しかし、最近の歯列矯正は一般的な金属製の器具のほかにも、目立ちにくい器具や表側に器具を付けない治療方法もあります。自分のライフスタイルに合った治療方法を選べば、治療中の見た目の問題を減らすことができるでしょう。

また、治療に伴う痛みや違和感も覚悟しておく必要があります。矯正器具によって今ある歯の位置を動かすわけですから、人によって痛みを感じる場合もあります。

食事のときの違和感や舌が器具に触れる不快感が気になる人もいるでしょう。ただし、日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合は、歯科医師に相談して調整を行ってもらうことも可能です。

さらに、治療中は矯正器具の隙間に汚れが付着しやすくなります。場所によっては歯ブラシが届きにくいこともあるので、普段よりも虫歯や歯周病に気をつけて丁寧なケアが必要になります。

あなたはどんな歯並びに悩んでいますか?

歯列矯正が必要な主な症状と治療法

歯並びの悩みは人それぞれですが、矯正治療が必要となる主な歯並びには、以下の3種類があります。

まず「上顎前突」、いわゆる「出っ歯」です。上顎の前歯が下顎の前歯よりも前に出ており、上下の歯が咬み合っていない状態を指します。

次に「下顎前突」、いわゆる「受け口」があります。下顎の前歯が上顎の前歯よりも前に出ており、上下の歯が咬み合っていない状態です。

そして「開咬」は、前歯が咬み合っておらず、奥歯の数本に負担がかかりやすい歯並びです。これらの不正咬合は、見た目の問題だけでなく、様々な健康上の問題を引き起こす可能性があります。

矯正治療が必要かどうかは、専門家が様々な検査とその分析をして初めて判断することができます。「もしかしたら自分は不正咬合かもしれない」と不安を抱えている方は、まずは矯正歯科に相談してみることをおすすめします。

矯正治療の3つの主な方法

矯正治療には主に以下の3種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の症状や生活スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。

1つ目は「ワイヤー矯正」です。最も一般的な矯正治療で、ブラケットと呼ばれる装置を歯に取り付け、ワイヤーの力を使って歯並びを整えていく方法です。

歯の表面に装置を取り付ける表側矯正、裏面に取り付ける裏側矯正、目立たない白いワイヤーを使うホワイトワイヤー矯正など、様々なバリエーションがあります。どんな症例にも対応できる信頼性の高い方法ですが、見た目が気になる方もいるでしょう。

2つ目は「マウスピース矯正」です。インビザラインという装置をはじめとする、マウスピース型の矯正装置を使用して歯並びを整える方法です。

患者自身で取り外しができるため、食事や歯磨きの際に矯正装置が邪魔にならないというメリットがあります。見た目も目立ちにくいため、人前に出る機会が多い大人の方に人気の治療法です。ただし、複雑な症例には不向きな場合もあります。

3つ目は「コンビネーション矯正」です。マウスピース矯正とワイヤー矯正を組み合わせて行う矯正治療で、それぞれの長所を活かした治療が可能になります。

矯正治療の方法は症例によって最適なものが異なります。あなたの歯並びに最適な治療法はどれでしょうか?

歯列矯正にかかる費用の相場

歯列矯正を検討する上で、最も気になるのは費用ではないでしょうか。歯列矯正は原則として保険診療が適用されない「自由診療」であり、料金設定がクリニックや矯正方法によって大きく異なります。

独自調査によると、歯科矯正の平均費用は約66.8万円です。ただし、前歯だけなど一部を治す「部分矯正」(平均52.8万円)は、奥歯から全体を治す「全体矯正」(平均81.0万円)に比べて、約30万円も安くなる傾向があります。

矯正方法別の費用相場を見てみましょう。

矯正方法別の費用相場

表側矯正は30~130万円程度が相場です。最も一般的な矯正方法で、どんな症例にも対応できる反面、見た目に目立つというデメリットがあります。

裏側矯正は40~170万円程度が相場です。歯の裏側に装置を付けるため外からは見えませんが、その分技術的に難しく、費用も高くなります。

ハーフリンガル矯正は35~150万円程度が相場です。上の歯は裏側、下の歯は表側に装置を付ける方法で、裏側矯正よりもコストを抑えられます。

マウスピース矯正は10~100万円程度が相場です。透明なマウスピースを使うため目立ちにくく、取り外しも可能ですが、複雑な症例には不向きな場合もあります。

矯正治療の費用は、治療の段階によっても異なります。初診相談から事前治療までの「矯正前」、歯を動かす「矯正中」、そして治療後の歯並びを維持する「保定期間」の3つの段階に分けて考える必要があります。

初診相談の費用は3,000~5,000円程度が一般的です。その後、精密検査を受けると、レントゲン撮影や歯型の採取などで2~5万円程度かかります。

矯正装置の装着費用は矯正方法によって大きく異なりますが、10~50万円程度が相場です。そして、定期的な調整費用が1回あたり5,000~1万円程度かかります。

治療後の保定装置の費用は2~5万円程度です。保定期間中の定期検診も必要で、1回あたり3,000~5,000円程度かかることが一般的です。

あなたはどの矯正方法に興味がありますか?

歯列矯正の支払い方法と医療費控除

高額になりがちな矯正治療費用ですが、支払い方法にはいくつかの選択肢があります。クリニックによって支払いシステムが異なるため、治療を始める前にしっかり確認しておきましょう。

主な支払いシステム

「治療費総額制(トータルフィー制・定額制)」は、治療全体の費用を一括で支払う方法です。初めから総額がわかるため予算が立てやすく、途中で追加費用が発生するリスクが少ないというメリットがあります。

一方、「処置別支払い制(都度払い)」は、通院や処置ごとに費用を支払う方法です。初期費用を抑えられる反面、最終的な総額が見えにくいというデメリットがあります。

一括で支払うのが難しい場合は、「分割払い」を利用する方法もあります。主な分割払いの方法としては、デンタルローン(医療ローン)、クレジットカード、院内分割払いなどがあります。

デンタルローンは医療費専用のローンで、金利が低めに設定されていることが多いです。クレジットカードは手続きが簡単ですが、金利が高くなる場合があるので注意が必要です。院内分割払いは、クリニック独自の分割払いシステムで、無金利の場合もあります。

医療費控除で節税する方法

矯正治療費は高額になりがちですが、医療費控除を利用することで税金の還付を受けられる可能性があります。

医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで所得税の一部が還付される制度です。

歯列矯正は、「歯列・顎関節の異常」を治療するための医療行為として、医療費控除の対象となる場合があります。ただし、純粋に美容目的の矯正は対象外となるため、矯正の必要性を医師に証明してもらうことが重要です。

医療費控除を受けるためには、矯正治療の領収書をきちんと保管しておき、確定申告の際に提出する必要があります。また、医師による治療証明書があると、より確実に控除を受けられる可能性が高まります。

「矯正費用が高くて迷っている」という方は、このような支払い方法や医療費控除の制度を上手に活用することで、経済的な負担を軽減できるかもしれません。

あなたはどの支払い方法が最適だと思いますか?

信頼できる矯正歯科の選び方

歯列矯正は長期間にわたる治療です。だからこそ、信頼できる矯正歯科を選ぶことが非常に重要になります。では、どのような点に注目して選べばよいのでしょうか。

私が10年間で見てきた矯正治療の現場から、信頼できる矯正歯科を選ぶためのポイントをお伝えします。

矯正歯科選びの7つのポイント

まず最も重要なのは、「日本矯正歯科学会の認定医が在籍しているか」という点です。

日本矯正歯科学会は日本最大の矯正歯科学会で、同学会の「認定医」になるには5年以上にも及ぶ矯正歯科に関する専門的な研修を受け、学会の試験に合格する必要があります。つまり、日本矯正歯科学会の認定医として選ばれた医師は、矯正治療の技術・知識が豊富であるということなのです。

次に重要なのは、「コミュニケーションをしっかりとれる医師か」という点です。矯正治療は長期間にわたるため、医師との相性や信頼関係が治療の成功に大きく影響します。

初回のカウンセリングで、医師がどれだけ丁寧に説明してくれるか、質問にきちんと答えてくれるか、患者の希望や不安に耳を傾けてくれるかをチェックしましょう。

3つ目のポイントは、「自分に合った矯正治療を選べるか」です。矯正治療には様々な方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。複数の選択肢を提示してくれるクリニックを選ぶことで、自分のライフスタイルや予算に合った治療法を選べる可能性が高まります。

4つ目は、「料金体系が明確で適正価格か」という点です。治療前に総額や支払い方法をしっかり説明してくれるクリニックを選びましょう。また、極端に安すぎる場合は、何か重要な処置が含まれていない可能性もあるため注意が必要です。

5つ目は、「トラブルの際のフォロー体制が整っているか」です。矯正装置が外れた、痛みが強いなどのトラブルが発生した際に、迅速に対応してくれるクリニックを選ぶことが重要です。

6つ目は、「歯科矯正のための設備が整っているか」という点です。セファログラム(頭部X線規格写真)やCT撮影などの設備が整っているクリニックを選ぶと、より精密な診断と治療計画が期待できます。

最後に、「通いやすい場所にあるか」も重要なポイントです。矯正治療は定期的な通院が必要なため、自宅や職場から通いやすい場所にあるクリニックを選ぶことで、治療の継続がしやすくなります。

矯正歯科選びに悩んでいる方は、まずは複数のクリニックで相談を受けてみることをおすすめします。セカンドオピニオンを求めることで、より自分に合った治療法と医師を見つけることができるでしょう。

矯正治療の流れと期間

矯正治療は一朝一夕で終わるものではありません。治療開始から終了までの流れと期間を知っておくことで、心の準備ができ、安心して治療に臨めるでしょう。

矯正治療は大きく分けて「矯正前」「矯正中」「矯正後(保定期間)」の3つの段階に分かれます。

矯正前の準備段階

まず最初に行うのが「初診相談」です。歯並びの悩みや希望を医師に伝え、治療の必要性や方法について説明を受けます。この段階では、日頃気になっている点や治療した場合のおおよその期間や費用、治療の方法など、聞きたい内容をまとめておくとよいでしょう。

初診相談で治療を進めることを決めたら、次は「精密検査」を受けます。パノラマやセファロといった歯や頭部のエックス線撮影、歯型の採得、口と顔の写真撮影などを行います。

検査結果をもとに、医師は「治療計画の説明」を行います。どのような治療法で、どのくらいの期間と費用がかかるのかを詳しく説明してくれます。この段階で疑問や不安がある場合は、納得いくまで質問しましょう。

治療計画に納得したら、いよいよ「矯正装置の装着」です。選んだ矯正方法によって装着する装置は異なりますが、この段階から本格的な治療が始まります。

矯正中の治療段階

矯正装置を装着したら、定期的に通院して「調整」を行います。通院頻度は矯正方法や症例によって異なりますが、一般的には1~2ヶ月に1回程度です。

調整の際には、矯正装置の状態確認や調整、治療の進捗確認などを行います。痛みや違和感がある場合は、この時に医師に相談しましょう。

矯正治療の期間は症例によって大きく異なりますが、一般的には1~3年程度かかることが多いです。複雑な症例や成人の場合は、子どもに比べて治療期間が長くなる傾向があります。

矯正後の保定段階

目標とする歯並びが達成されたら、矯正装置を外して「保定装置」を装着します。保定装置は、矯正によって動いた歯が元の位置に戻るのを防ぐための装置です。

保定期間も症例によって異なりますが、一般的には1~2年程度は保定装置を装着し、その後も定期的に通院して経過観察を行います。

矯正治療は長期間にわたりますが、その先には理想の歯並びと健康な口腔環境が待っています。焦らず、医師と二人三脚で治療を進めていきましょう。

矯正治療を成功させるためには、医師の指示をしっかり守り、定期的な通院を欠かさないことが何よりも重要です。

まとめ:あなたに合った歯列矯正を見つけるために

大人の歯列矯正は、見た目の改善だけでなく、口腔健康の維持・向上にも大きく貢献します。不正咬合を放置すると、虫歯や歯周病のリスク増加、口臭の原因、顎関節への負担増大などの問題が生じる可能性があります。

矯正治療には主に「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」「コンビネーション矯正」の3種類があり、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。自分の症状や生活スタイル、予算に合った方法を選ぶことが大切です。

費用面では、矯正方法や治療範囲によって大きく異なりますが、平均して66.8万円程度かかります。部分矯正なら平均52.8万円、全体矯正なら平均81.0万円が目安です。支払い方法には一括払いや分割払いなどがあり、医療費控除を利用することで税金の還付を受けられる可能性もあります。

信頼できる矯正歯科を選ぶためには、日本矯正歯科学会の認定医が在籍しているか、コミュニケーションがしっかりとれる医師か、自分に合った治療法を選べるか、料金体系が明確か、トラブル時のフォロー体制が整っているか、設備が充実しているか、通いやすい場所にあるかなどをチェックしましょう。

矯正治療は長期間にわたりますが、その先には理想の歯並びと健康な口腔環境が待っています。まずは気になるクリニックで相談を受けてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

歯並びの悩みを抱えているなら、今日から一歩踏み出してみませんか?

Belle歯科・矯正歯科では、患者様の症状だけでなく、普段の生活や将来の計画なども含め、じっくりとお話をしたうえで、最適な治療計画を提案しています。西神中央、伊川谷、学園都市を含めた西区・須磨区・垂水区から多くの患者様が来院されています。

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著者情報

Belle歯科・矯正歯科院長 竹内優斗

[経歴]

日本矯正歯科学会 認定医

近畿東海矯正歯科学会

インビザライン プラチナプロバイダー

兵庫県歯科医師会

神戸市歯科医師会

神戸市西区歯科医師会

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