ブログ

blog

  • HOME>
  • ブログ>
  • 神戸市の矯正歯科医師が教える!矯正治療の・・・

神戸市の矯正歯科医師が教える!矯正治療の痛みを軽減する10の方法blog

2025.06.30

矯正治療で痛みが出る理由とそのメカニズム

矯正治療を始めようと考えている方の多くが「痛みが心配」と感じています。実際のところ、矯正治療中に痛みを全く感じないということはほとんどありません。しかし、その痛みのメカニズムを理解することで、不安を軽減することができます。

矯正治療で歯が動くとき、実は体内で複雑な生体反応が起きています。歯に矯正装置を装着して力を加えると、歯根膜という靭帯に圧力がかかります。この圧力によって、骨を壊す「破骨細胞」と骨を作る「骨芽細胞」が活性化し、歯を支える骨の形を少しずつ変化させていくのです。

この過程は一種の炎症反応に近いため、痛みを感じるわけです。また、圧迫された側では歯根膜の血流が悪くなり、これも痛みの原因となります。矯正治療による痛みは、虫歯や切り傷のような鋭い痛みではなく、肩こりや筋肉痛に似た鈍い痛みとして感じることが多いのが特徴です。

痛みを感じるタイミングとしては、装置を初めて装着した直後や調整後の2〜3日間が最も強く、その後1週間程度で徐々に和らいでいきます。個人差はありますが、この期間を乗り切れば、装置に慣れて日常生活にもほとんど支障がなくなるでしょう。

どうですか?痛みの仕組みが分かると、少し不安が和らぎませんか?

矯正治療中に痛みを軽減する10の効果的な方法

矯正治療中の痛みは避けられないものですが、適切な対処法を知っておくことで、その不快感を大幅に軽減することができます。ここでは私が患者さんにいつもお伝えしている、効果的な10の方法をご紹介します。

1. 温めの食塩水でうがいをする

昔から言われている方法ですが、効果的です。温かい食塩水でうがいをすると、浸透圧の変化により痛みが和らぎます。コップ1杯のぬるま湯に小さじ1/2程度の食塩を溶かし、1日数回うがいをしましょう。特に装置調整後の痛みが強い時期に効果的です。

2. 歯茎をやさしくマッサージする

歯茎のマッサージは血行を促進し、痛みの軽減に役立ちます。清潔な指や柔らかい歯ブラシを使って、痛みを感じる部分の歯茎を優しく円を描くようにマッサージしてください。1回につき2〜3分程度、1日に数回行うと効果的です。

電動歯ブラシ、特に音波式のものを使うと、クリーニング効果とマッサージ効果の両方が得られるのでおすすめです。ただし、強すぎる振動は逆効果になることもあるので、痛みが強い時は弱めの設定で使用しましょう。

3. 痛み止めを適切に使用する

どうしても痛みが我慢できない場合は、市販の痛み止めを服用するのも一つの方法です。ただし、すべての痛み止めが適しているわけではありません。矯正治療の痛みは炎症反応によるものなので、抗炎症作用が強いロキソニンなどのNSAIDs系の薬剤は、歯の移動を遅らせる可能性があります。

代わりに、アセトアミノフェン系の鎮痛剤(カロナールなど)がおすすめです。これらは抗炎症作用が少なく、純粋な鎮痛効果があるため、矯正治療の進行を妨げにくいとされています。もちろん、使用前には説明書をよく読み、用法・用量を守ってください。

4. 柔らかい食べ物を選ぶ

調整直後の2〜3日間は、柔らかい食べ物を中心に食事をすることで、痛みを軽減できます。おかゆ、スープ、豆腐、ヨーグルト、バナナなどの柔らかい食品は、咀嚼による痛みを最小限に抑えることができます。

また、冷たいアイスクリームやシャーベットは、一時的に痛みを和らげる効果があります。ただし、糖分の摂りすぎには注意し、食後の丁寧な歯磨きを忘れないようにしましょう。

5. 食べ物を小さく切って食べる

硬い食べ物や大きな食べ物を避けられない場合は、一口サイズに小さく切って食べることで負担を減らせます。例えば、りんごやにんじんなどは細切りにする、肉類は小さく切るなどの工夫をしましょう。また、奥歯で噛むようにすると、矯正装置への負担が少なくなります。

6. 矯正用ワックスを活用する

ワイヤー矯正では、装置が頬や唇の内側に当たって痛みや口内炎の原因になることがあります。そんなときは矯正用ワックスが非常に役立ちます。このワックスは装置の尖った部分や引っかかる部分に貼り付けて使います。

使用する際のコツは、まずティッシュなどで装置の周りをよく拭いて乾かしてから貼ること。濡れた状態だとすぐに取れてしまいます。ワックスは歯科医院でもらえますが、市販もされているので、常に持ち歩くと安心です。

7. 矯正用の痛み軽減グッズを使う

最近では、矯正治療中の痛みを軽減するための専用グッズも多く販売されています。例えば、咬合力を利用して痛みを軽減する「チューイー」と呼ばれる咀嚼補助具や、歯茎をマッサージするための専用ツールなどがあります。

特に「チューイー」は、1日数分噛むことで歯の周囲の血行を促進し、痛みを和らげるだけでなく、歯の移動を促進する効果も期待できます。使用方法は製品によって異なるので、購入前に歯科医に相談するとよいでしょう。

8. 口腔内を清潔に保つ

矯正装置があると食べかすが溜まりやすく、歯磨きも難しくなります。しかし、口腔内を清潔に保つことは痛みの予防にもつながります。食後はできるだけ早く歯磨きをし、フロスや歯間ブラシ、水流洗浄器などの補助用具も活用しましょう。

口内炎ができると余計に痛みが増すので、丁寧なケアが重要です。矯正治療中は通常よりも念入りに、時間をかけて口腔ケアを行うことをお勧めします。

9. 光加速装置を活用する

最新の矯正治療では、近赤外線を利用した光加速装置が痛みの軽減に効果を発揮しています。この装置は骨の細胞を活性化させ、再生能力を高める効果があります。これにより痛みが軽減されるだけでなく、歯の移動も促進されるため、治療期間の短縮も期待できます。

光加速装置は医院で使用するタイプと自宅で使用できるタイプがあります。ご興味がある方は、一度ご相談ください。Belle歯科・矯正歯科では最新の光加速装置を導入しています。

10. リラクゼーション法を取り入れる

痛みの感じ方は精神状態にも大きく影響されます。ストレスが多いと痛みをより強く感じることがあるため、リラクゼーション法を取り入れることも効果的です。深呼吸、瞑想、ヨガなどのリラックス法を日常に取り入れてみましょう。

また、好きな音楽を聴いたり、入浴したりするなど、自分なりのリラックス方法を見つけることも大切です。心身ともにリラックスすることで、痛みへの耐性が高まります。

矯正装置の種類による痛みの違いと対処法

矯正治療にはいくつかの種類があり、装置によって痛みの感じ方や対処法も少し異なります。ここでは、主な矯正装置ごとの痛みの特徴と対処法をご紹介します。

ワイヤー矯正の場合

ワイヤー矯正は最も一般的な矯正方法で、歯にブラケットを接着し、ワイヤーを通して歯を動かします。この方法では、初めて装着した時や調整後に比較的強い痛みを感じることがあります。また、ワイヤーやブラケットが頬や唇の内側に当たって口内炎ができることもあります。

対処法としては、前述の矯正用ワックスが非常に効果的です。また、最近では従来よりも柔らかいNiTiワイヤーや、摩擦の少ないローフリクションブラケットなどが開発され、痛みを軽減する工夫がされています。Belle歯科・矯正歯科では、患者さんの状態に合わせて、できるだけ痛みの少ない装置を選択しています。

マウスピース矯正の場合

インビザラインなどのマウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯を動かす方法です。ワイヤー矯正に比べると痛みは少ないとされていますが、新しいマウスピースに交換した直後は違和感や圧迫感を感じることがあります。

マウスピース矯正の利点は、1週間に1回(1か月に4回)マウスピースを交換するため、1回あたりにかかる力が従来のワイヤー矯正の約1/4程度と小さいことです。そのため、痛みも比較的軽減されます。

また、マウスピースは取り外しができるので、痛みが強い時は短時間外して休憩することも可能です(ただし、1日20〜22時間の装着が基本です)。食事や歯磨きの際に取り外せるため、口内炎などのトラブルも少なくなります。

コンビネーション矯正の場合

マウスピース矯正とワイヤー矯正を組み合わせたコンビネーション矯正も、状況に応じて選択されます。この方法では、それぞれの装置の特性を活かしながら治療を進めるため、痛みのコントロールもしやすくなります。

例えば、大きな歯の移動が必要な初期段階ではワイヤー矯正を行い、仕上げの段階でマウスピース矯正に切り替えるなど、患者さんの状態や生活スタイルに合わせた治療計画を立てることができます。

矯正治療中の痛みに関するよくある質問

矯正治療を検討している方や現在治療中の方から、痛みに関して多くの質問をいただきます。ここでは、特によく聞かれる質問とその回答をまとめました。

矯正治療の痛みはいつまで続きますか?

矯正装置の調整後や新しいマウスピースに交換した直後から2〜3日間が最も痛みを感じやすい時期です。その後は徐々に和らぎ、1週間程度でほとんど気にならなくなることが多いです。

ただし、個人差があり、痛みに敏感な方は長く続くこともあります。また、治療の進行に伴い、徐々に痛みを感じにくくなっていくことも多いです。初めての調整後が最も痛みを感じやすく、回数を重ねるごとに体が慣れてくるケースが多いようです。

痛みで眠れない場合はどうすればいいですか?

調整直後の夜は痛みが強く、眠りにくいことがあります。そんな時は、就寝前に温かい食塩水でうがいをしたり、医師に相談の上で痛み止めを服用したりするとよいでしょう。また、枕の高さを調整して頭部の血流を整えることも効果的です。

どうしても痛みが強い場合は、翌日歯科医院に連絡して相談することをお勧めします。装置の調整が必要な場合もあります。

子供の矯正治療でも痛みはありますか?

子供も大人と同様に矯正治療による痛みを感じますが、個人差があります。子供の場合は、痛みの表現が難しいこともあるため、保護者の方が様子をよく観察し、食事の変化や不機嫌さなどのサインに注意することが大切です。

子供向けの対処法としては、柔らかい食べ物を用意する、好きなアイスクリームなどの冷たいものを与える、気が紛れるような楽しい活動を計画するなどが効果的です。また、痛みを乗り越えた時には小さな褒美を用意するなど、前向きに取り組める工夫も大切です。

矯正治療中の痛みはずっと続くものですか?

いいえ、矯正治療中ずっと痛みが続くわけではありません。痛みは主に調整後の数日間に限られ、治療期間全体を通して常に痛みがあるわけではありません。多くの患者さんは、初回の調整後が最も痛みを感じやすく、その後は体が慣れてくるため、徐々に痛みを感じにくくなっていきます。

ただし、治療の進行に伴い、新たな歯の動きが必要になる段階では再び痛みを感じることもあります。しかし、これも一時的なものであり、適切な対処法を知っておくことで十分に管理できます。

最新技術で痛みを軽減する矯正治療の進化

矯正治療の技術は日々進化しており、痛みを軽減するための新しい方法や装置が次々と開発されています。ここでは、最新の痛み軽減技術についてご紹介します。

低摩擦ブラケットシステム

従来のブラケットよりも摩擦が少なく、より小さな力で効率的に歯を動かすことができる低摩擦ブラケットシステムが開発されています。これにより、患者さんが感じる痛みや不快感を軽減しながら、効果的な治療が可能になっています。

例えば、セルフライゲーションブラケットと呼ばれるタイプは、ワイヤーを固定するためのゴムやワイヤーが不要で、ブラケット自体にクリップやスライド機構が組み込まれています。これにより摩擦が減少し、より快適な治療が可能になります。

光加速装置による治療促進

先ほども少し触れましたが、近赤外線を利用した光加速装置は、矯正治療における画期的な技術です。この装置は骨の細胞を活性化させ、骨のリモデリング(再構築)を促進します。これにより、痛みの軽減だけでなく、治療期間の短縮も可能になります。

通常の矯正治療に比べて治療期間を約1/3に短縮できるという研究結果もあり、多くの患者さんにとって大きなメリットとなっています。Belle歯科・矯正歯科では、この最新技術を取り入れた治療を提供しています。

3Dデジタル矯正技術

3Dスキャナーとコンピューターシミュレーションを用いた最新の矯正技術も、痛みの軽減に貢献しています。患者さんの口腔内を精密にスキャンし、歯の動きをシミュレーションすることで、より正確な治療計画を立てることができます。

これにより、無駄な力をかけずに効率的に歯を動かすことが可能になり、結果として患者さんの痛みや不快感を軽減することができます。また、治療前に最終的な歯並びをシミュレーションで確認できるため、患者さんにとっても治療のゴールが明確になるというメリットがあります。

まとめ:痛みを乗り越えて理想の歯並びへ

矯正治療中の痛みは避けられない部分もありますが、適切な知識と対処法を身につけることで、十分に管理することができます。この記事でご紹介した10の方法を実践することで、矯正治療をより快適に進めることができるでしょう。

矯正治療は一時的な不快感を伴うことがありますが、その先には健康的で美しい歯並びが待っています。正しい咬み合わせは、見た目の改善だけでなく、歯周病リスクの低減、顎関節への負担軽減など、長期的な健康にも大きく貢献します。

Belle歯科・矯正歯科では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療計画を提案し、できる限り痛みを軽減した快適な矯正治療を心がけています。痛みに対する不安や疑問がある方は、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な専門医が丁寧にお答えします。

理想の歯並びへの道のりを、私たちと一緒に歩んでみませんか?

矯正治療についてのご質問やご相談は、いつでもお気軽にBelle歯科・矯正歯科までお問い合わせください。あなたの笑顔のために、最適な矯正治療をご提案いたします。

お問い合わせはこちらから

著者情報

Belle歯科・矯正歯科院長 竹内優斗

[経歴]

日本矯正歯科学会 認定医

近畿東海矯正歯科学会

インビザライン プラチナプロバイダー

兵庫県歯科医師会

神戸市歯科医師会

神戸市西区歯科医師会

お電話でのご予約・お問い合わせ078-996-9990

24時間Web予約受付中

instagram

お問い合わせ