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矯正治療の期間はどのくらい?種類別の目安と短縮方法を歯科医師が解説blog

2025.07.01

矯正治療の期間を知りたい方へ〜なぜ期間が気になるのか

「矯正治療を始めたいけれど、どのくらいの期間がかかるのだろう?」

歯科医院で矯正治療の相談をされる患者様から、最も多く寄せられる質問の一つです。矯正治療は、歯並びや咬み合わせを整えるために行われる治療ですが、一度始めると数か月から3年以上の期間を要することがあります。

治療期間が長いと感じるのには理由があります。毎日の生活の中で矯正装置を装着し続けることへの不安、見た目の変化、食事制限、そして何より「いつになったら理想の歯並びになるのか」という期待と焦りが入り混じるからでしょう。

私は神戸市西区西神南にあるBelle歯科・矯正歯科の院長を務める竹内優斗です。大阪大学附属病院矯正科に6年間在籍し、様々な矯正治療の症例を経験してきました。

今回は、矯正治療の期間について、種類別の目安や期間を左右する要因、さらには治療期間を短縮するための方法についてお伝えします。

矯正治療の種類別にみる平均的な治療期間

矯正治療の期間は、治療方法や歯の移動距離、治療範囲などによって大きく異なります。ここでは、代表的な矯正治療の種類別に、一般的な治療期間の目安をご紹介します。

まず、矯正治療は大きく分けて「部分矯正」と「全体矯正」の2つに分類できます。

部分矯正と全体矯正の治療期間

部分矯正は、主に前歯など見た目が気になる部分だけを矯正する方法です。治療期間は比較的短く、2ヶ月〜1年半程度で終わることが多いです。

一方、全体矯正は奥歯を含む歯の全体を矯正する方法で、咬み合わせまで改善することができます。治療期間は1年〜3年程度かかるのが一般的です。

なぜこれほど期間に差があるのでしょうか?

それは、歯を動かす距離や範囲が大きく関係しています。部分矯正では限られた範囲の歯だけを動かすのに対し、全体矯正では多くの歯を動かし、さらに咬み合わせまで調整するため、より多くの時間が必要になるのです。

矯正方法別の治療期間

次に、具体的な矯正方法別の治療期間をみていきましょう。

表側矯正(マルチブラケット法・唇側矯正・ワイヤー矯正)は、最も一般的な矯正方法で、歯の表側に装置を付けて治療します。治療期間は1〜3年程度です。

裏側矯正(舌側矯正)は、歯の裏側に装置を付ける方法で、表側矯正よりも技術的難易度が高いため、治療期間はやや長くなり、1年半〜3年程度かかります。

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使用する方法で、治療範囲によって期間が大きく異なります。部分的な矯正なら2ヶ月〜1年半程度、全体の矯正なら1〜3年程度かかります。

私の臨床経験では、患者様の年齢や歯の状態、生活習慣によっても治療期間は変わってきます。特に大人の矯正では、骨の代謝が子どもに比べて遅いため、同じ距離を歯を動かすのにより多くの時間がかかることがあります。

どうですか?思っていたより長いと感じましたか?それとも意外と短いと思われましたか?

矯正治療の期間を左右する主な要因

矯正治療の期間は一人ひとり異なります。なぜなら、治療期間を左右する要因がいくつもあるからです。ここでは、治療期間に影響を与える主な要因について解説します。

歯並びの状態と治療の難易度

最も大きな要因は、現在の歯並びの状態と治療の難易度です。軽度の叢生(歯並びの乱れ)であれば比較的短期間で改善できますが、重度の叢生や骨格的な問題を伴う場合は、治療期間が長くなります。

例えば、単純な歯の傾きを修正するだけなら数ヶ月で済むこともありますが、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、開咬などの骨格的な問題を伴う場合は、治療に1年以上かかることが一般的です。

年齢による違い

年齢も治療期間に大きく影響します。子どもは骨の代謝が活発で歯が動きやすいため、大人に比べて治療期間が短くなる傾向があります。

成人の場合、骨の代謝が遅くなるため、同じ距離を歯を動かすのにより多くの時間がかかります。また、長年の咬み合わせの癖や歯周病などの問題を抱えていることも多く、これらの要因も治療期間を延ばす原因となります。

治療への協力度

患者様の治療への協力度も重要な要因です。特にマウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が推奨されており、これを守らないと治療期間が大幅に延びてしまいます。

また、定期的な通院や歯科医師の指示に従うこと、適切な口腔ケアを行うことも、治療をスムーズに進めるために欠かせません。

私の臨床では、患者様の協力度が高い場合、予定通りあるいはそれ以上のスピードで治療が進むケースをよく見かけます。逆に、装置の装着時間が不十分だったり、通院が不規則だったりすると、治療期間が予定より長引くことがあります。

実は、矯正治療の期間は「矯正治療期間」と「保定期間」の2つに分けられます。多くの方が見落としがちなのがこの「保定期間」です。

矯正治療期間と保定期間の違い

矯正治療全体は、大きく分けて「矯正治療期間」と「保定期間」の2つのステージで構成されています。この2つの期間の違いを理解することは、治療全体の見通しを立てる上で非常に重要です。

矯正治療期間とは

矯正治療期間とは、実際に歯を動かして歯並びを整える期間のことです。この間、ワイヤー矯正ならブラケットとワイヤーを装着し、マウスピース矯正なら定期的にマウスピースを交換しながら、少しずつ歯を理想の位置に動かしていきます。

先ほど説明した1〜3年程度というのは、この矯正治療期間の目安です。

保定期間とは

一方、保定期間とは、矯正治療によって動いた歯が元の位置に戻らないよう、保定装置を使用して歯の位置を安定させる期間です。

保定期間は一般的に1〜2年程度ですが、場合によってはそれ以上の期間、保定装置の使用が必要になることもあります。保定装置は、取り外し可能なタイプが多く、就寝時のみの装着で済むことが一般的です。

保定期間を軽視すると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」のリスクが高まります。そのため、矯正治療を検討する際は、矯正治療期間だけでなく、保定期間も含めた全体の治療計画を理解しておくことが大切です。

私がいつも患者様にお伝えしているのは、矯正治療は「マラソン」のようなものだということです。短距離走のように一気に駆け抜けるのではなく、長い距離を着実に進んでいくことが大切です。そして、ゴールに到達した後も、その成果を維持するための「アフターケア」が必要なのです。

ここまで矯正治療の期間について解説してきましたが、「もっと短い期間で治療を終えたい」と考える方も多いのではないでしょうか。次は、矯正治療の期間を短縮する方法について見ていきましょう。

矯正治療の期間を短縮する最新の方法

矯正治療の長い治療期間は患者様にとって大きな負担となることがあります。そこで近年、治療期間を短縮するための様々な方法が研究・開発されています。ここでは、矯正治療の期間を短縮する最新の方法をいくつかご紹介します。

加速矯正治療とは

加速矯正治療とは、従来の矯正治療に特殊な処置や装置を組み合わせることで、歯の移動を促進し、治療期間を短縮する方法です。

東北大学の研究によると、歯槽骨に微小な穴を開けることで組織の代謝作用が増加し、歯の移動が促進されることが確認されています。これは、微小な穴をあけることにより炎症性サイトカインが増加し、骨の吸収が増すことで歯の移動が早くなるためです。

このような原理を応用した加速矯正治療には、以下のような方法があります。

コルチコトミー

コルチコトミーは、歯槽骨の皮質骨に小さな切れ目を入れることで、骨の代謝を活性化させ、歯の移動を促進する方法です。

寿谷法コルチコトミーなどの術式があり、従来の矯正治療に比べて治療期間を約半分に短縮できるとされています。ただし、外科的な処置を伴うため、適応症例や患者様の全身状態を十分に考慮する必要があります。

振動刺激装置

振動刺激装置は、歯に微弱な振動を与えることで骨のリモデリング(再構築)を促進し、歯の移動を早める方法です。

患者様自身が1日数分間、専用の装置を使用するだけで済むため、比較的手軽に取り入れられる方法です。研究によっては、治療期間を最大50%短縮できるという報告もありますが、効果には個人差があります。

光線療法

特定の波長の光を歯茎に照射することで、細胞活性を高め、歯の移動を促進する方法です。フォトバイオモジュレーションとも呼ばれます。

非侵襲的で痛みを伴わないため、患者様の負担が少ないのが特徴です。一部の研究では、治療期間を約30%短縮できるという結果が報告されています。

私の臨床経験では、これらの加速矯正治療は従来の矯正治療に比べて治療期間を短縮できる可能性がありますが、すべての患者様に適用できるわけではありません。患者様の歯の状態や全身の健康状態、生活スタイルなどを総合的に判断し、最適な治療法を選択することが重要です。矯正治療は「最短」よりも「最適」を目指すべきです。

治療期間を短くするために患者様ができること

矯正治療の期間は、歯科医師の技術や治療法だけでなく、患者様自身の協力も大きく影響します。ここでは、治療期間を短くするために患者様ができることをいくつかご紹介します。

装置の装着時間を守る

特にマウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が推奨されています。この装着時間を守ることが、治療を予定通りに進めるための最も重要なポイントです。

私の臨床では、マウスピースの装着時間が不十分だった患者様の場合、予定していた治療期間よりも大幅に長引いてしまうケースをよく見かけます。逆に、しっかりと装着時間を守っていただいた患者様は、予定通りあるいはそれ以上のスピードで治療が進むことが多いです。

定期的な通院を欠かさない

矯正治療では、定期的な通院が欠かせません。予約をキャンセルしたり、長期間通院しなかったりすると、治療の進行が遅れ、結果的に治療期間が延びてしまいます。

特に調整が必要なワイヤー矯正では、定期的な通院が治療の進行に直接影響します。予定された通院スケジュールをしっかりと守りましょう。

適切な口腔ケアを行う

矯正治療中は、装置が付いていることで通常よりも丁寧な歯磨きが必要になります。適切な口腔ケアを怠ると、虫歯や歯周病のリスクが高まり、治療が中断されたり、追加の治療が必要になったりして、結果的に矯正治療の期間が延びてしまいます。

歯科医師や歯科衛生士の指導に従い、適切な口腔ケアを心がけましょう。

矯正装置の破損に注意する

ワイヤー矯正では、装置の破損やワイヤーの変形が治療の遅れにつながります。硬いものを噛んだり、不適切な方法で歯を磨いたりすることで装置が破損することがあるため、注意が必要です。

装置が破損した場合は、すぐに歯科医院に連絡し、対応してもらいましょう。

ある患者様の例をご紹介します。20代の女性で、結婚式までに矯正治療を終えたいというご希望がありました。マウスピース矯正を選択され、装着時間を厳密に守り、定期的な通院も欠かさず、口腔ケアも徹底されていました。その結果、当初予定していた治療期間よりも2ヶ月早く治療を終えることができ、結婚式では自信を持って笑顔を見せることができたそうです。

このように、患者様の協力が治療期間に大きく影響することは間違いありません。

Belle歯科・矯正歯科での矯正治療の特徴

神戸市西区西神南にあるBelle歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりの状態や生活スタイル、将来の計画に合わせた最適な矯正治療を提案しています。ここでは、当院の矯正治療の特徴についてご紹介します。

豊富な経験と専門知識

私は大阪大学附属病院矯正科に6年間在籍し、様々な症例を経験してきました。日本矯正歯科学会認定医として、最新の知識と技術を常に学び続けています。

矯正治療は、咬み合わせや人体に関する医師の専門知識と豊富な経験が求められる分野です。当院では、その専門性を活かし、複雑な症例にも対応しています。

多様な矯正治療法

当院では、ワイヤー矯正、マウスピース矯正(インビザライン)、コンビネーション矯正など、様々な矯正治療法を提供しています。

特にインビザラインについては、プラチナプロバイダーとして豊富な症例数を誇り、高い技術力で治療を行っています。透明なマウスピースで目立ちにくく、取り外しも可能なため、日常生活への影響を最小限に抑えながら矯正治療を進めることができます。

患者様に寄り添った治療計画

当院では、患者様の症状だけでなく、普段の生活や将来の計画なども含め、じっくりとお話をした上で、最適な治療計画を提案しています。

例えば、結婚式や就職活動などの重要なイベントに合わせた治療計画の調整や、仕事や学校の都合に合わせた通院スケジュールの設定など、患者様のライフスタイルに寄り添った治療を心がけています。

セカンドオピニオンの活用

矯正治療は長期間にわたる治療であり、費用も決して安くありません。そのため、当院では患者様に納得していただいた上で治療を開始することを大切にしています。

当院での相談後、他の歯科医院でセカンドオピニオンやサードオピニオンを聞かれても構いませんし、逆に当院をセカンドオピニオン、サードオピニオンとしてご活用いただくことも可能です。

矯正治療の期間は、治療方法や歯の状態、患者様の協力度など様々な要因によって異なります。当院では、これらの要因を総合的に判断し、患者様にとって最適な治療計画を提案しています。

歯並びのことでお悩みの方は、ぜひ一度Belle歯科・矯正歯科にご相談ください。

まとめ:矯正治療の期間を理解して最適な選択を

矯正治療の期間は、治療方法や歯の状態、年齢、協力度など様々な要因によって異なります。一般的な目安としては、部分矯正で2ヶ月〜1年半程度、全体矯正で1年〜3年程度かかることが多いですが、これはあくまでも目安であり、個人差があります。

また、矯正治療は「矯正治療期間」と「保定期間」の2つのステージで構成されており、保定期間も含めた全体の治療計画を理解しておくことが大切です。

近年では、コルチコトミーや振動刺激装置、光線療法など、矯正治療の期間を短縮するための様々な方法が研究・開発されています。これらの方法は従来の矯正治療に比べて治療期間を短縮できる可能性がありますが、すべての患者様に適用できるわけではありません。

治療期間を短くするためには、患者様自身の協力も欠かせません。装置の装着時間を守る、定期的な通院を欠かさない、適切な口腔ケアを行う、矯正装置の破損に注意するなど、患者様ができることはたくさんあります。

Belle歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりの状態や生活スタイル、将来の計画に合わせた最適な矯正治療を提案しています。歯並びのことでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

矯正治療は長期間にわたる治療ですが、その先には美しい歯並びと健康的な咬み合わせが待っています。正しい知識を持ち、信頼できる歯科医師と二人三脚で治療を進めていくことで、理想の歯並びを手に入れましょう。

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著者情報

Belle歯科・矯正歯科院長 竹内優斗

[経歴]

日本矯正歯科学会 認定医

近畿東海矯正歯科学会

インビザライン プラチナプロバイダー

兵庫県歯科医師会

神戸市歯科医師会

神戸市西区歯科医師会

 

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