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子どもの矯正歯科選び|専門医が教える5つの重要ポイントblog

2025.08.20

子どもの矯正歯科選びで失敗しないための基礎知識

お子さんの歯並びが気になり始めたとき、多くの親御さんは「どの矯正歯科医院を選べばいいのだろう」と悩まれます。歯並びは将来のお口の健康や見た目に大きく影響するため、矯正歯科選びは慎重に行いたいものです。

矯正治療は一般的に長期間にわたり、費用も決して安くありません。そのため、治療を始める前に適切な矯正歯科医院を選ぶことが非常に重要になってきます。

私は日本矯正歯科学会認定医として、これまで多くのお子さんの矯正治療に携わってきました。その経験から、子どもの矯正歯科選びで重要なポイントをお伝えしたいと思います。

お子さんの矯正治療は、一般的に2年程度の期間がかかり、月に1回のペースで通院することになります。そのため、単に「家から近い」という理由だけで選ぶのではなく、治療の質や医師の専門性など、複数の観点から検討することが大切です。

矯正歯科医院を選ぶ際の5つの重要ポイント

子どもの矯正歯科医院を選ぶ際には、以下の5つのポイントを特に重視することをおすすめします。これらのポイントを押さえることで、後悔のない矯正歯科選びができるでしょう。

1. 日本矯正歯科学会の認定医・専門医が在籍しているか

矯正歯科治療を行うにあたって、最も重要なポイントの一つが「日本矯正歯科学会の認定医・専門医が在籍しているか」ということです。日本では歯科医師免許を持っていれば、矯正治療を行うことができる「自由標榜制」が採用されています。

つまり、一度も矯正歯科治療をしたことがない歯科医師でも、「矯正歯科」という看板を掲げることができるのです。そのため、矯正の専門的な知識や経験がある医師を見分けるためには、認定資格の有無が重要な指標となります。

日本矯正歯科学会の認定医になるためには、5年以上の研修と厳しい試験に合格する必要があります。さらに専門医になるには、より高度な知識と技術が求められます。このような資格を持つ医師は、矯正治療に関する専門的な知識と経験を持っていると言えるでしょう。

認定医・専門医の検索は、日本矯正歯科学会のホームページで行うことができます。お住まいの地域で探してみることをおすすめします。

2. 小児矯正の症例数が豊富か

歯科医院のホームページなどで、小児矯正の症例数が豊富にあるかどうかを確認することも重要です。成長期に行う矯正治療は、大人の矯正とは異なる専門的な知識と技術が必要となります。

小児矯正の症例数が豊富な歯科医院では、子どもの対応に慣れているスタッフが多く、保護者の方も相談しやすい環境が整っていることが多いです。また、様々なケースに対応してきた経験があるため、お子さんの状態に合わせた適切な治療計画を立てることができます。

歯科医師免許があれば「小児矯正」と看板を出すことはできますが、実際には子どもの矯正治療の症例数が少なく、大人の矯正を中心に行っている歯科医院も存在します。そのため、実績の確認は非常に重要です。

3. 丁寧なカウンセリングと説明があるか

矯正治療は長期間にわたるため、歯科医師との信頼関係が非常に重要です。初回のカウンセリングで、医師がどれだけ丁寧に説明してくれるか、疑問や不安に対してわかりやすく答えてくれるかをチェックしましょう。

良い矯正歯科医院では、メリットだけでなくデメリットや注意点についても説明してくれます。例えば、治療中の痛みや不快感、装置の管理方法、治療期間中の制限事項などについても正直に伝えてくれるでしょう。

また、複数の治療方法を提示し、それぞれのメリット・デメリットを説明した上で、お子さんと親御さんに最適な選択肢を提案してくれる医院が理想的です。

カウンセリングでは、疑問点や不明な点があればしっかりと聞いておくことが大切です。質問に対して誠実に答えてくれるか、専門用語を使いすぎずにわかりやすく説明してくれるかも、医院選びの重要なポイントになります。

4. 費用と治療計画が明確か

矯正治療は保険適用外の自由診療となるため、費用は医院によって異なります。治療を始める前に、総額だけでなく、分割払いの有無や追加費用が発生する可能性についても確認しておくことが重要です。

良心的な矯正歯科医院では、初回のカウンセリングで費用について明確に説明し、見積書を提示してくれます。また、治療計画についても、期間や通院頻度、どのような装置を使用するのかなど、具体的に説明してくれるでしょう。

「とにかく安い」という理由だけで選ぶのは避けたほうが良いでしょう。適切な治療を行うためには、それに見合った費用が必要です。重要なのは、その費用に対して納得のいく説明があるかどうかです。

5. 通院のしやすさと緊急時の対応

矯正治療は長期間にわたるため、通院のしやすさも重要な選択基準となります。自宅や学校から近い場所にあるか、駐車場は完備されているか、診療時間は都合が合うかなどを確認しておきましょう。

特に子どもの矯正治療では、学校の授業や習い事との兼ね合いも考慮する必要があります。平日の夕方や土曜日も診療している医院であれば、無理なく通院を続けることができるでしょう。

また、矯正装置が外れてしまったり、痛みが強く出たりするなどの緊急時にどのように対応してくれるかも確認しておくと安心です。特に矯正治療の初期段階では、装置の不具合や違和感を感じることが多いため、急なトラブルに対応してくれる医院を選ぶことが大切です。

自宅や学校から近い場所にある医院であれば、緊急時にも迅速に対応してもらいやすくなります。ただし、「近い」という条件だけで選ぶのではなく、前述した専門性や信頼性も含めて総合的に判断することが重要です。

子どもの矯正治療を始める前に知っておきたいこと

子どもの矯正治療を始める前に、いくつか知っておくべき重要なポイントがあります。これらを理解しておくことで、より適切な医院選びができるでしょう。

適切な矯正開始時期について

子どもの矯正治療を始める時期については、様々な考え方がありますが、一般的には6歳から12歳の「第Ⅰ期」と呼ばれる時期が重要だとされています。この時期は永久歯が生え始め、顎の成長も活発な時期です。

ただし、すべての子どもがこの時期に矯正を始める必要があるわけではありません。お子さんの歯並びや噛み合わせの状態によって、最適な開始時期は異なります。そのため、まずは矯正歯科医院での相談・検査を受けることをおすすめします。

早期に矯正治療を始めることで、顎の成長をコントロールしやすくなり、将来的に抜歯の必要性が減る可能性もあります。しかし、早すぎる治療開始は必ずしも良いとは限らず、お子さんの状態に合わせた適切な判断が必要です。

抜歯の必要性について正しく理解する

矯正治療において「抜歯」は避けたいと考える親御さんは多いですが、場合によっては抜歯が最適な選択肢となることもあります。歯の大きさと顎の大きさのバランスによっては、きれいな歯並びを実現するために抜歯が必要なケースがあるのです。

「床矯正装置をつけてあごを広げれば、歯を抜かなくても矯正歯科治療ができる」という説明を受けることがありますが、これには注意が必要です。成長期のお子さんの場合、上あごは床矯正の装置をつけることで歯列はある程度広げることができても、あごそのものは広がりません。

また、下あごは骨の構造的に拡大できないため、無理に広げようとすると歯が外側に傾いてしまい、将来的に問題が生じる可能性があります。抜歯の必要性については、レントゲン写真や歯型などの精密検査に基づいた専門的な判断が必要です。

抜歯を避けるために無理な治療を行うと、歯の健康や噛み合わせに悪影響を及ぼすことがあります。信頼できる矯正歯科医の判断に従うことが、長期的な口腔健康のためには重要です。

精密検査と診断の重要性

矯正治療を始める前には、必ず精密検査と診断を受けることが重要です。レントゲン写真や歯型の採得、口と顔の写真撮影などの検査を通じて、お子さんの歯並びや噛み合わせの状態を正確に把握する必要があります。

精密検査を行わずに安易に治療を開始すると、顔だちや歯列のアンバランスを招いたり、上下の歯がきちんと咬み合わないというトラブルにつながる可能性があります。信頼できる矯正歯科医院では、必ず精密検査を行った上で治療計画を立てます。

また、検査結果に基づいて、医師から詳しい説明を受けることも大切です。現在の状態、治療の必要性、治療方法の選択肢、予想される結果などについて、わかりやすく説明してもらいましょう。

矯正歯科選びでよくある失敗と対策

子どもの矯正歯科選びにおいて、よくある失敗とその対策についてご紹介します。これらを知っておくことで、より良い選択ができるでしょう。

価格だけで選んでしまう

矯正治療は決して安くない治療です。そのため、できるだけ費用を抑えたいと考えるのは自然なことですが、価格だけで選ぶと後悔することがあります。

極端に安い料金設定の医院では、必要な検査や治療が省略されていたり、経験の浅い医師が担当していたりする可能性があります。また、初期費用は安くても、追加料金が発生するケースもあるため注意が必要です。

大切なのは、提示された費用に対して、どのような治療が含まれているのか、追加費用は発生するのかなど、詳細を確認することです。複数の医院を比較する際は、単に金額だけでなく、治療内容や医師の専門性も含めて総合的に判断しましょう。

セカンドオピニオンを求めない

一つの医院だけの意見で治療を決めてしまうのも、よくある失敗の一つです。特に大がかりな治療計画や抜歯を伴う治療の場合は、別の医院でもセカンドオピニオンを求めることをおすすめします。

矯正治療にはさまざまなアプローチがあり、医師によって考え方や得意とする治療法が異なります。複数の医師の意見を聞くことで、より自分の子どもに合った治療法を見つけることができるでしょう。

セカンドオピニオンを求める際は、最初の医院で受けた検査結果を持参すると、より具体的な意見をもらいやすくなります。ただし、すべての医院で同じ検査を受ける必要がある場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

子どもの意思を尊重しない

矯正治療は長期間にわたるため、お子さん自身の協力が不可欠です。親の一方的な判断で治療を始めると、お子さんのモチベーションが上がらず、治療効果が十分に得られないことがあります。

治療を始める前に、お子さんと十分に話し合い、歯並びを治すことのメリットや治療中の注意点などを説明しましょう。また、可能であれば、お子さんにも医院選びに参加してもらうことで、治療に対する主体性が生まれます。

特に思春期のお子さんの場合は、見た目や友人の反応を気にする時期でもあるため、装置の種類や治療期間についても、お子さんの意見を尊重することが大切です。

まとめ:子どもの矯正歯科選びで大切なこと

子どもの矯正歯科選びは、お子さんの将来の口腔健康に大きく影響する重要な決断です。この記事でご紹介した5つのポイントを参考に、慎重に選んでいただければと思います。

まず、日本矯正歯科学会の認定医・専門医が在籍しているかを確認し、小児矯正の症例数が豊富な医院を選びましょう。また、丁寧なカウンセリングと説明があるか、費用と治療計画が明確か、通院のしやすさと緊急時の対応はどうかといった点もチェックすることが大切です。

矯正治療を始める前には、適切な開始時期や抜歯の必要性について正しく理解し、必ず精密検査と診断を受けることをおすすめします。また、価格だけで選ばない、セカンドオピニオンを求める、子どもの意思を尊重するといった点にも注意が必要です。

お子さんの健やかな成長と美しい笑顔のために、ぜひ適切な矯正歯科医院を選んでください。私たちBelle歯科・矯正歯科では、お子さんの矯正治療に関するご相談を随時承っております。お気軽にご来院ください。

詳しい情報や予約については、Belle歯科・矯正歯科の公式サイトをご覧ください。

著者情報

Belle歯科・矯正歯科 院長 竹内優斗

[経歴]

日本矯正歯科学会 認定医

近畿東海矯正歯科学会

インビザライン プラチナプロバイダー

兵庫県歯科医師会

神戸市歯科医師会

神戸市西区歯科医師会

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