ワイヤー矯正とマウスピース矯正の基本的な違い
「歯並びを治したいけど、どんな矯正方法が自分に合っているんだろう?」
歯科矯正を考え始めると、まず気になるのがワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いではないでしょうか。この2つは現在の矯正歯科治療の主流となっている方法です。どちらを選ぶかで、治療期間や生活への影響が大きく変わってきます。
ワイヤー矯正は、歯に金属製のブラケットを取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく方法です。一方、マウスピース矯正は透明なプラスチック製のマウスピースを装着して歯を少しずつ動かしていきます。
どちらの矯正方法も、それぞれ特徴があります。患者さんの歯並びの状態やライフスタイル、希望によって最適な方法は変わってきます。
当院では患者さんの症状だけでなく、普段の生活や将来の計画なども含め、じっくりとお話をした上で、最適な治療計画を提案しています。

見た目で選ぶ?機能で選ぶ?それぞれのメリット・デメリット
矯正治療を選ぶ際に、見た目と機能性のどちらを重視するかで選択肢が変わってきます。
マウスピース矯正の最大の魅力は、なんといっても「目立たない」ということです。透明なマウスピースは装着していてもほとんど気づかれません。人前に立つ機会が多い方や、見た目を気にする方に特に人気があります。
一方、ワイヤー矯正は金属製のため目立ちますが、複雑な歯の動きにも対応できる高い治療効果が魅力です。幅広い症例に対応できるため、矯正治療の王道と言えるでしょう。
それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
ワイヤー矯正のメリット
ワイヤー矯正は長い歴史と実績を持つ治療法です。その主なメリットは以下の通りです。
- 幅広い症例に対応可能:複雑な歯の移動や大きな咬み合わせの修正にも対応できます
- 確実な治療効果:装置が固定されているため、確実に歯を動かすことができます
- 治療期間が短縮できる可能性:症例によってはマウスピース矯正より短期間で治療を終えられることも
- 自己管理の負担が少ない:装置を外す必要がないため、装着時間を気にする必要がありません
複雑な歯並びの問題を抱えている方には、ワイヤー矯正の方が適している場合が多いです。
ワイヤー矯正のデメリット
一方で、ワイヤー矯正には以下のようなデメリットもあります。
- 装置が目立つ:金属製のブラケットとワイヤーが見えるため、見た目を気にする方には抵抗があるかもしれません
- 食事や歯磨きに制限がある:装置に食べ物が詰まりやすく、丁寧な歯磨きが必要です
- 痛みを感じやすい:特に調整直後は強い痛みを感じることがあります
- 口内炎ができやすい:装置が口腔内の粘膜に当たって炎症を起こすことがあります
これらのデメリットは、慣れるまでの一時的なものが多いですが、治療期間中は継続的に対応が必要です。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正は近年急速に普及している治療法です。主なメリットは以下の通りです。
- 目立ちにくい:透明なマウスピースは装着していてもほとんど気づかれません
- 取り外しができる:食事や歯磨きの際に取り外せるため、制限が少ないです
- 痛みが比較的少ない:弱い力で少しずつ歯を動かすため、痛みを感じにくいです
- 口腔内を清潔に保ちやすい:装置を外して歯磨きができるため、虫歯や歯周病のリスクが低減します
見た目や生活の質を重視する方には、マウスピース矯正が向いているでしょう。
あなたの歯並びに合った矯正法はどっち?
矯正治療を選ぶ際に最も重要なのは、あなたの歯並びの状態です。歯並びの問題によって、適した矯正方法は変わってきます。
マウスピース矯正は、軽度から中等度の歯並びの問題に適しています。例えば、軽度の叢生(歯のガタガタ)や、小さな隙間の修正などには効果的です。
しかし、大きな咬み合わせの問題や複雑な歯の移動が必要な場合は、ワイヤー矯正の方が適していることが多いです。
マウスピース矯正が向いている症例
マウスピース矯正は、以下のような症例に向いています。
- 軽度から中等度の叢生(歯のガタガタ)
- 小さな隙間の修正
- 軽度の出っ歯(上顎前突)
- 軽度の受け口(下顎前突)
また、自己管理ができる方や、見た目を重視する方にも向いています。
当院では、インビザラインというマウスピース矯正システムを導入しています。インビザラインは世界的に実績のあるマウスピース矯正システムで、多くの症例に対応できます。
ワイヤー矯正が向いている症例
一方、ワイヤー矯正は以下のような症例に向いています。
- 重度の叢生(歯のガタガタ)
- 大きな咬み合わせの問題
- 顎の位置の修正が必要な場合
- 歯の回転や移動が複雑な場合
- 開咬(前歯が咬み合わない状態)
自己管理が難しい方や、確実な治療効果を求める方にも向いています。
どの矯正方法が最適かは、専門家による詳細な検査と分析によって判断されます。不正咬合でお悩みの方は、まずは矯正歯科医に相談することをおすすめします。
生活スタイルで選ぶ矯正法
矯正方法を選ぶ際には、ご自身の生活スタイルも重要な判断材料になります。
マウスピース矯正は自分で取り外せるため、食事や歯磨きの際に制限がありません。しかし、1日20時間以上の装着が必要であり、自己管理能力が求められます。
一方、ワイヤー矯正は装置が固定されているため、自己管理の負担は少ないですが、食事制限や特別な歯磨き方法が必要になります。
仕事や社会生活への影響
接客業や営業職など、人と接する機会が多い職業の方は、見た目が目立たないマウスピース矯正を選ぶ方が多いです。
また、プレゼンテーションや会議が多い方も、話しやすさを重視してマウスピース矯正を選ぶことがあります。
しかし、自己管理が難しい忙しい生活を送っている方や、装置の紛失が心配な方は、取り外しの必要がないワイヤー矯正の方が向いているかもしれません。
食事や歯磨きへの影響
食事を楽しみたい方には、マウスピース矯正がおすすめです。マウスピースは食事の際に取り外すため、食べ物の制限がありません。
ワイヤー矯正の場合、粘着性の高い食べ物(キャラメルやガムなど)や、硬い食べ物(せんべいやりんごなど)は避ける必要があります。また、食後の歯磨きも装置の周りを丁寧に磨く必要があり、時間がかかります。
しかし、マウスピース矯正では食後に歯磨きをしてからマウスピースを装着する必要があるため、外出先での食事後の管理が大変と感じる方もいます。
自分のライフスタイルに合った矯正方法を選ぶことで、治療のストレスを軽減し、より快適に矯正治療を進めることができます。

費用と治療期間の比較
矯正治療を選ぶ際に気になるのが、費用と治療期間ではないでしょうか。
一般的に、マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも費用が高くなる傾向があります。これは、マウスピースを定期的に作り替える必要があることや、専用のソフトウェアを使った治療計画の立案などが関係しています。
治療期間については、症例の難易度によって大きく異なりますが、一般的にはワイヤー矯正の方が短期間で治療を終えられる可能性が高いです。
費用の目安
矯正治療の費用は症例の難易度や治療期間によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- ワイヤー矯正:50万円〜80万円程度
- マウスピース矯正:60万円〜100万円程度
当院では患者さんの状態や希望に合わせて、最適な治療計画と費用をご提案しています。また、分割払いなどの支払い方法についてもご相談いただけます。
治療期間の目安
治療期間も症例によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- ワイヤー矯正:1年半〜2年程度
- マウスピース矯正:1年〜2年半程度
マウスピース矯正は自己管理が重要なため、指示通りにマウスピースを装着しない場合、治療期間が延びる可能性があります。
矯正治療は長期間にわたるため、費用と期間のバランスを考慮して、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
まとめ:あなたに最適な矯正法を見つけるために
ワイヤー矯正とマウスピース矯正、どちらが良いかは一概に言えません。それぞれに特徴があり、患者さんの歯並びの状態やライフスタイル、希望によって最適な方法は変わってきます。
矯正治療を選ぶ際のポイントをまとめると以下のようになります。
- 歯並びの状態:複雑な症例はワイヤー矯正、軽度〜中等度の症例はどちらも選択可能
- 見た目の重視度:見た目を重視する場合はマウスピース矯正
- 生活スタイル:自己管理ができる方はマウスピース矯正、難しい方はワイヤー矯正
- 費用と期間:費用を抑えたい場合はワイヤー矯正、期間よりも快適さを重視する場合はマウスピース矯正
どうしても迷ってしまう場合は、複数の歯科医院でセカンドオピニオンを求めることも一つの方法です。
当院では、患者さんの症状だけでなく、普段の生活や将来の計画なども含め、じっくりとお話をした上で、最適な治療計画を提案しています。歯並びのことでお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
美しい歯並びは、見た目の印象を良くするだけでなく、噛み合わせの改善や歯周病予防など、お口の健康にも大きく貢献します。あなたに合った矯正方法で、健康的で美しい歯並びを手に入れましょう。
詳しい情報や無料相談については、Belle歯科・矯正歯科までお問い合わせください。

著者情報
Belle歯科・矯正歯科 院長 竹内優斗
[経歴]
日本矯正歯科学会 認定医
近畿東海矯正歯科学会
インビザライン プラチナプロバイダー
兵庫県歯科医師会
神戸市歯科医師会
神戸市西区歯科医師会

