矯正治療中の食事・・・装置を守りながら快適に過ごすために
矯正治療を始めると、多くの患者様が最初に戸惑うのが「食事」です。
ワイヤーやブラケット、マウスピースといった矯正装置を装着することで、これまで何気なく食べていたものが急に食べにくくなったり、装置に負担をかけてしまう可能性があります。しかし、適切な食材選びと食べ方の工夫をすれば、矯正治療中でも食事を楽しむことは十分に可能です。
Belle歯科・矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医として、患者様一人ひとりの治療段階や装置の種類に応じた食生活のアドバイスを行っています。

矯正装置にダメージを与える食べ物の特徴
まず理解しておきたいのは、どのような食べ物が矯正装置に問題を引き起こすのかという点です。
ワイヤー矯正の場合、通常1ヶ月に1回を目安にワイヤーを交換しますが、ワイヤーやブラケットが外れてしまうと、治療中の歯が元に戻ってしまったり、想定していない方向に動いてしまう可能性があります。そのため、矯正装置が外れてしまう可能性のある食べ物には特に注意が必要です。
硬い食べ物・・・装置破損のリスクが高い
硬い食べ物は、矯正中の歯に大きな負担をかけます。
矯正治療中は歯に力がかかっているため、痛みが発生することがあり、そういった時に硬い食べ物を食べることで痛みが増す可能性があります。煎餅などの硬いお菓子も、矯正中の歯や装置にダメージを与える原因となります。
ナッツ類は硬くて小さいため、矯正装置を破損する原因になりえます。どうしても食べたい場合は、よく咀嚼することが重要ですが、矯正中は特に注意が必要です。
粘着性のある食べ物・・・装置に絡まる危険性
ガムは矯正装置に付着しやすく、取り除くのが非常に困難です。
また、ガムを噛む行為自体が、装置に不必要なストレスを与えるため、矯正中は避けるべきです。キャラメルも粘着性が高く、矯正装置に悪影響を与えるため推奨されません。キャラメルを食べることで、装置が外れるリスクが高まります。
キムチやもちなどの粘着性の高い食べ物は、矯正装置に絡まりやすいため注意が必要です。矯正装置に付着すると取り除くのが難しく、むし歯の原因になることもあります。
着色しやすい食べ物・飲み物・・・装置の変色に注意
色素が強い食べ物や飲み物は、矯正装置に色を付けてしまうことがあります。
着色は基本的に歯ブラシで落とすことができないため、注意が必要です。カレーの強い色素は矯正装置に付着しやすく、色が残りやすいです。カレーを食べた後は、できるだけ早く歯磨きをすることで着色を防ぐことが可能です。
トマトソースもまた、色素が強く矯正装置に色を残しやすい食品です。コーヒーは飲み物の中でも特に着色しやすいため、摂取の際には注意が必要です。可能であればストローを使用し、矯正装置との直接的な接触を避けると良いでしょう。

矯正治療中に安心して食べられる食材とメニュー
では、矯正治療中にはどのような食べ物を選べば良いのでしょうか。
矯正治療中は、柔らかくて食べやすい食材を選ぶと、食事のストレスが少なくなります。装置を装着すると、歯に力がかかるため、食事の際に違和感を覚えることがありますが、適切な食材選びで快適に過ごすことができます。
主食・・・柔らかく調理した炭水化物
柔らかいご飯やパンは矯正治療中の主食として最適です。
おかゆや蒸しパンなど、さらに柔らかく調理したものは、装置装着直後や調整後の痛みがある時期に特におすすめです。食材をあらかじめ小さくカットしておくと、噛むときの負担を軽減しやすくなります。
タンパク質源・・・柔らかい調理法を選ぶ
豆腐や卵料理は矯正治療中の優れたタンパク質源です。
茶碗蒸し、スクランブルエッグなどは、柔らかく食べやすいだけでなく、栄養価も高く理想的です。煮込み料理のシチューや煮魚なども、柔らかく調理されているため安心して食べられます。
野菜・果物・・・調理方法と選び方がポイント
生の根菜類は硬すぎるため、矯正中は食べる際には柔らかく調理した方が良いでしょう。
煮物やスープの具として使用することで、硬さを和らげることができます。リンゴやステーキなど噛み切る必要のある食べ物は、一口サイズに切ってから食べるようにしましょう。柔らかい果物としては、バナナをヨーグルトと一緒に食べるのもおすすめです。
汁物・スープ類・・・栄養補給と食べやすさを両立
スープ類は矯正治療中の強い味方です。
味噌汁、ポタージュなどは、装置に負担をかけることなく栄養を摂取できます。特に装置装着直後や調整後の痛みがある時期には、温かいスープで栄養を補給することができます。
矯正治療中の食事の工夫とテクニック
食材選びだけでなく、食べ方の工夫も重要です。
矯正装置を装着すると、装置に食べ物が詰まりやすくなるため、食事内容にも工夫が必要です。適切な対応をすれば快適に過ごすことができます。
食べ物を小さくカットする習慣
食材を小さく切ることは、矯正治療中の基本テクニックです。
一口サイズにカットすることで、前歯で噛み切る必要がなくなり、装置への負担を大幅に軽減できます。特にリンゴやステーキなど、通常は大きく噛み切る必要がある食べ物は、事前に小さくカットしておくことをおすすめします。
ゆっくりと丁寧に咀嚼する
急いで食べると装置に負担がかかります。
ゆっくりと時間をかけて丁寧に咀嚼することで、装置への衝撃を和らげることができます。また、丁寧に咀嚼することは消化にも良く、健康面でもメリットがあります。
食後の口腔ケアを徹底する
矯正装置の周囲には汚れがたまりやすいため、食後は必ず歯を磨く習慣をつけることが大切です。
特に、ワイヤーやブラケットの周りは、歯ブラシを使ってしっかり汚れを落としましょう。通常の歯ブラシでは届きにくい部分があるため、矯正専用の歯ブラシや歯間ブラシ、フロスを使うとより効果的です。

矯正治療中のお口のケア・・・むし歯予防のために
矯正治療中は、装置の影響で食べかすが残りやすくなります。
そのため、むし歯や歯周病のリスクを減らすために、普段よりも丁寧な歯磨きが必要です。Belle歯科・矯正歯科では、予防歯科を専門に学んだ歯科医師が在籍しており、矯正治療中の口腔健康サポートを行っています。
矯正専用の清掃器具を活用する
ワイヤーの下に通すことができる「スーパーフロス」は、装置の間に詰まった汚れを取り除くのに便利です。
矯正専用の歯ブラシや歯間ブラシを使うことで、通常の歯ブラシでは届きにくい部分もしっかりと清掃できます。当院では、患者様一人ひとりの装置の種類や歯並びの状態に応じた清掃方法をアドバイスしています。
フッ素入りの歯磨き粉でむし歯予防
矯正装置がついていると歯が磨きにくくなり、むし歯のリスクが高まることがあります。
フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、むし歯の予防効果が期待できます。フッ素は歯の再石灰化を促進し、酸に対する抵抗力を高める働きがあります。
定期的な歯科検診とクリーニング
矯正治療中は、装置のチェックだけでなく、歯や歯ぐきの状態を確認するために定期的な検診を受けることが大切です。
特に歯石が溜まりやすいため、定期的に歯科でクリーニングを受けて、お口のトラブルを未然に防ぐよう心がけましょう。Belle歯科・矯正歯科では、矯正治療の進行状況と口腔健康の両面から、総合的なサポートを提供しています。
まとめ・・・矯正治療中も食事を楽しむために
矯正治療中の食生活は、適切な知識と工夫があれば決して苦痛なものではありません。
硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避け、柔らかく調理した食材を選ぶことで、装置への負担を最小限に抑えることができます。また、食材を小さくカットする、ゆっくり咀嚼する、食後の口腔ケアを徹底するといった習慣を身につけることで、矯正治療中も快適に過ごせます。
Belle歯科・矯正歾科では、日本矯正歯科学会認定医として、患者様の10年後、20年後を見据えた総合的な治療を提案しています。矯正治療中の食生活やお口のケアに関するご不明点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
矯正治療は、美しい歯並びを手に入れるだけでなく、長期的なお口の健康を保つための大切なステップです。適切な食生活管理と丁寧な口腔ケアで、理想の歯並びを実現しましょう。
矯正治療中の食生活や口腔ケアについて、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ当院までご相談ください。詳細はこちら:Belle歯科・矯正歯科

著者情報
Belle歯科・矯正歯科 院長 竹内優斗
[経歴]
日本矯正歯科学会 認定医
近畿東海矯正歯科学会
インビザライン プラチナプロバイダー
兵庫県歯科医師会
神戸市歯科医師会
神戸市西区歯科医師会

