マウスピース矯正を検討される方が気になる「通院頻度」
歯並びを整えたいと考えている方にとって、マウスピース矯正は「目立ちにくい」「取り外しができる」という大きなメリットがあります。
しかし、実際に治療を始める前に多くの方が気にされるのが「どのくらいの頻度で通院が必要なのか」という点ではないでしょうか。
仕事や子育て、学業で忙しい日々を送る中で、頻繁な通院が必要となると治療の継続が難しくなってしまいます。マウスピース矯正は従来のワイヤー矯正と比べて通院回数が少ないことが特徴ですが、具体的にどの程度の頻度なのか、また治療期間はどのくらいかかるのかを事前に知っておくことは、治療計画を立てる上で非常に重要です。
本記事では、マウスピース矯正における通院頻度の目安、治療期間、そして治療が長引いてしまう原因について、日本矯正歯科学会認定医としての知見を踏まえて詳しく解説していきます。
マウスピース矯正の基本的な通院頻度
マウスピース矯正の通院頻度は、一般的に「2〜3ヶ月に1回」が標準的です。
これはワイヤー矯正の「1ヶ月に1回」と比較すると、明らかに通院回数が少ないことがわかります。マウスピース矯正では、あらかじめ複数枚のマウスピースを製作し、患者様ご自身で1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していただく仕組みなっています。そのため、毎回の調整のために通院する必要がなく、定期的なチェックのみで治療を進めることができるのです。
治療開始直後は通院頻度が高めになることも
ただし、治療を開始したばかりの時期については、1ヶ月に1回程度の通院をお願いすることがあります。
これは、マウスピースに慣れるまでの期間に正しく装着できているか、計画通りに歯が動いているか、口内炎などのトラブルが起きていないかを細かく確認するためです。初期段階でのトラブルを早期に発見し対処することで、その後の治療をスムーズに進めることができます。
症例や治療の進捗状況によって変動する通院頻度
通院頻度は患者様の症例の複雑さや治療の進み具合によっても異なります。
比較的軽度な歯並びの乱れであれば、3ヶ月に1回程度の通院で十分な場合もありますが、複雑な症例や歯の動きに予想外の変化が見られる場合には、より頻繁な通院が必要になることもあります。歯科医師の指示に従い、適切な間隔で通院していただくことが、治療を成功させる鍵となります。
マウスピース矯正の治療期間はどのくらい？
治療期間は、歯並びの状態や治療範囲によって大きく異なります。
全体矯正の場合の治療期間
上下の歯列全体を整える全体矯正では、一般的に1〜2年程度の期間が必要です。
噛み合わせを含めた複雑な調整が必要な場合には、2年以上かかることもあります。また、歯並びを整えた後には「保定期間」と呼ばれる期間が2年程度必要となり、この期間中はリテーナーという装置を装着して歯が元の位置に戻らないようにします。
部分矯正の場合の治療期間
前歯や奥歯の一部など、限られた範囲を矯正する部分矯正では、比較的短期間で治療が完了します。
軽度な歯並びの乱れや歯の隙間であれば半年程度、奥歯の微調整を含む場合でも半年〜1年程度で完了することが多いです。中には1〜2ヶ月で目に見える変化を感じる方もいらっしゃいます。ただし、部分矯正の場合も全体矯正と同様に、矯正治療後にはリテーナーの装着が1〜2年程度必要となります。
ワイヤー矯正との治療期間の比較
マウスピース矯正とワイヤー矯正の治療期間を比較すると、全体矯正の場合はどちらも1〜2年程度と大きな差はありません。
ただし、ワイヤー矯正の方が矯正力が高く、固定式で自分では取り外せないため、計画通りに進みやすいという特徴があります。一方、マウスピース矯正は患者様の自己管理に委ねられる部分があり、装着時間が不足すると治療が遅れるケースもあるため、装着時間の厳守が重要になります。
マウスピース矯正の治療が長引く主な原因
計画通りに治療を進めるためには、いくつかの要因に注意が必要です。
マウスピースの装着時間不足
マウスピース矯正を成功させるためには、1日20〜22時間の装着が推奨されています。
「マウスピースの装着を忘れる」「つけるのが面倒」といった理由で装着時間が短くなると、歯が計画通りに動かず、治療期間が延びてしまいます。食事や歯磨きの時以外は常に装着し、装着時間をアプリなどで記録して管理することが大切です。
マウスピースの交換スケジュールを守らない
一般的に1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換する必要がありますが、交換を忘れると治療の進行が遅れる原因になります。
歯科医師の指示に従い、スケジュール通りに交換することが重要です。交換のタイミングをスマートフォンのリマインダーに設定するなど、忘れない工夫をすることをおすすめします。
歯並びの状態が予想以上に複雑だった場合
初期の診断では短期間で終わる予定でも、歯並びの状態によっては歯の移動が計画より遅れることがあります。
特にねじれの強い歯、奥歯の移動、大きな隙間などは、通常より時間がかかる場合があります。このような場合には、治療計画の見直しや追加のマウスピース製作が必要になることもあります。
むし歯や歯周病の発生
矯正中にむし歯や歯周病が進行すると、その治療を優先する必要があり、矯正期間が長くなることがあります。
マウスピース矯正中は、フロスや歯間ブラシを併用し、定期的な歯科検診を受けることが重要です。口腔内を清潔に保つことで、むし歯や歯周病を防ぎ、治療が順調に進むための基盤を整えることができます。
マウスピースの破損・紛失
マウスピースを誤って破損したり紛失したりすると、新しいものを作製するまでの間、矯正がストップしてしまう場合があります。
装置の取り扱いには注意し、紛失しないよう専用ケースに保管することが大切です。外出先でも常に専用ケースを持ち歩き、ティッシュペーパーなどに包んで置くことは避けましょう。
治療期間を長引かせないための実践的なコツ
計画通りに治療を進めるためには、日々の管理が非常に重要です。
装着時間を厳守する習慣づくり
1日20〜22時間の装着時間を守ることが、治療期間を短く保つための基本です。
装着時間を守るポイントとしては、食事や歯磨きの時以外は常に装着する、装着時間をアプリなどで記録して管理する、装着を忘れないように生活習慣に組み込むことが挙げられます。毎日同じ時間に外し、同じタイミングで装着するなどの習慣化が、効果的な治療のためには必要です。
定期的な通院を怠らない
矯正治療中の定期的な通院は、歯科医師による進行状況の確認と必要な調整を行うために不可欠です。
通院が遅れたり、間隔が開いてしまうと、治療の進行に影響が出る可能性があるため、計画通りの通院を心がけましょう。通院日が決まったら、すぐにスケジュールに入れて優先度を高く設定することをおすすめします。
マウスピースの適合状態を日々チェックする
日々のマウスピース装着時に、しっかりとフィットしているかを確認することが重要です。
正しく装着されていない場合は、歯の動きがスムーズに進まないため、問題があればすぐに歯科医師に相談し、適切な調整を受けるようにしましょう。マウスピースが浮いている感じがする、痛みが続くなどの違和感があれば、次の通院を待たずに連絡することが大切です。
口腔内の衛生管理を徹底する
マウスピース矯正では、マウスピースを外した際の食事後のケアも非常に重要です。
食事の後は歯磨きを徹底し、食べ物のカスが残らないようにしましょう。口腔内を清潔に保つことで、むし歯や歯周病を防ぎ、治療が順調に進むための基盤を整えることができます。マウスピース自体の清掃も忘れずに行い、専用の洗浄剤を使用することをおすすめします。
Belle歯科・矯正歯科でのマウスピース矯正
当院では、日本矯正歯科学会認定医として、患者様一人ひとりに最適な治療計画をご提案しています。
インビザライン プラチナプロバイダーとしての豊富な経験を活かし、従来のワイヤー矯正に比べて目立ちにくく、痛みや違和感も感じにくいマウスピース矯正を提供しております。神戸市西区の西神南に位置し、西神中央、伊川谷、学園都市を含む広範囲のエリアから患者様にご来院いただいています。
当院の特徴として、患者様との「お話の時間」を大切にし、治療に対する理解を促進することを重視しています。10年後、20年後を見据えた「未来を見据えた総合治療」をご提案し、矯正治療の知見とお口全体を診る1口腔単位の歯科治療を組み合わせることで、患者様のお口の健康と生活の質の維持・向上を目指しております。
院内併設の歯科技工室により、矯正装置などの製作物を精密かつ迅速に作製することが可能です。また、予防歯科を専門に学んだ歯科医師による口腔健康サポートも行っており、矯正治療中のむし歯や歯周病のリスクを最小限に抑えることができます。
マウスピース矯正をご検討の方は、ぜひ一度当院にご相談ください。患者様の生活スタイルや年齢に応じたオーダーメイド式の治療プランを共に考え、美しい笑顔と健康なお口の実現を全力でサポートいたします。
詳細はこちら：Belle歯科・矯正歯科
著者情報
Belle歯科・矯正歯科 院長 竹内優斗
[経歴]
日本矯正歯科学会 認定医
近畿東海矯正歯科学会
インビザライン プラチナプロバイダー
兵庫県歯科医師会
神戸市歯科医師会
神戸市西区歯科医師会