矯正治療を検討されている方の多くが、さまざまな不安や疑問を抱えていらっしゃいます。
「抜歯は必ず必要なの?」「痛みに耐えられるだろうか?」「治療期間はどれくらいかかるの?」
こうした疑問の背景には、矯正治療に関する誤解が存在していることが少なくありません。日本矯正歯科学会認定医として、これまで数多くの患者様の治療に携わってきた経験から、矯正治療を始める前に正しく理解していただきたい5つの誤解について解説いたします。
正確な知識を持つことで、安心して治療に臨んでいただけるはずです。

誤解1:矯正治療では必ず抜歯が必要
「矯正治療=抜歯」というイメージをお持ちの方が多くいらっしゃいます。
しかし、実際には全ての症例で抜歯が必要というわけではありません。抜歯の必要性は、患者様の歯並びの状態、顎の大きさ、歯の大きさ、そして治療目標によって総合的に判断されます。
例えば、軽度の叢生(デコボコ)の場合や、成長期のお子様の矯正治療では、歯列の拡大や奥歯の後方移動によって、抜歯をせずに治療できるケースが多く存在します。近年では、インビザラインなどのマウスピース型矯正装置の進化により、従来は抜歯が必要だった症例でも、非抜歯で治療できる可能性が広がっています。
一方で、重度の上顎前突(出っ歯)や叢生の場合には、美しい歯並びと機能的な咬み合わせを実現するために、抜歯が最適な選択肢となることもあります。大切なのは、「抜歯か非抜歯か」という二者択一ではなく、患者様一人ひとりの状態に応じた最適な治療計画を立てることです。
当院では、精密な検査と診断を行い、患者様のご希望も伺いながら、10年後、20年後を見据えた治療方針をご提案しています。

誤解2:矯正治療は子どもだけのもの
矯正治療は子どもの時期にしかできないと思われている方がいらっしゃいます。
これは大きな誤解です。実際には、成人の矯正治療は年々増加しており、当院でも多くの成人患者様が治療を受けられています。歯と歯を支える骨が健康であれば、年齢に関係なく矯正治療は可能です。
むしろ、成人の矯正治療には独自のメリットがあります。成長が完了しているため治療計画が立てやすく、患者様ご自身の意思で治療に臨まれるため、装置の管理や通院などの協力度が高い傾向にあります。また、社会人の方でも目立ちにくい治療法を選択できるようになったことで、矯正治療のハードルは大きく下がっています。
ただし、成人の矯正治療では、虫歯や歯周病の治療を優先する必要がある場合や、骨の代謝が子どもに比べて遅いため治療期間が長くなる可能性があることは理解しておく必要があります。当院では、お口全体を診る「1口腔単位」の治療アプローチにより、矯正治療と一般歯科治療を組み合わせた総合的なケアを提供しています。
年齢を理由に矯正治療を諦める必要はありません。
誤解3:矯正治療は激しい痛みを伴う
「矯正治療は痛い」という話を聞いて、治療をためらっている方もいらっしゃるでしょう。
確かに、歯を動かす際には違和感や軽い痛みを感じることがあります。しかし、「激痛」というイメージは誇張されたものです。矯正治療で感じる痛みは、主に装置を調整した後の数日間に限られ、多くの場合は「歯が浮いたような感じ」や「物を噛むときの違和感」程度です。
近年の矯正装置の進化により、痛みはさらに軽減されています。特にマウスピース型矯正装置であるインビザラインは、従来のワイヤー矯正装置に比べて痛みや違和感を感じにくい傾向があります。これは、少しずつ段階的に歯を動かす設計になっているためです。
また、痛みの感じ方には個人差があることも知っておいていただきたいポイントです。同じ治療でも、ほとんど痛みを感じない方もいれば、数日間違和感が続く方もいらっしゃいます。当院では、患者様の痛みの状況を丁寧にお聞きし、必要に応じて調整のペースを変更するなど、できる限り快適に治療を進められるよう配慮しています。
痛みへの不安から治療を躊躇されている方は、ぜひ一度ご相談ください。

誤解4:治療期間は数ヶ月で終わる
矯正治療の期間について、楽観的な見通しを持たれている方がいらっしゃいます。
実際には、一般的な成人の矯正治療では2年から3年程度の期間が必要となることが多いです。これは、歯を無理なく安全に動かすためには、ゆっくりとした移動が必要だからです。急激に歯を動かそうとすると、歯根吸収や歯周組織へのダメージなどのリスクが高まります。
治療期間は、歯並びの状態、治療方法、患者様の年齢、骨の代謝速度などによって大きく異なります。軽度の症例であれば1年程度で終わることもありますし、複雑な症例では3年以上かかることもあります。また、装置を外した後も、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐための保定期間が必要です。
当院では、治療開始前の精密検査に基づいて、できる限り正確な治療期間の見通しをお伝えしています。ただし、歯の動き方には個人差があるため、治療途中で計画を修正することもあります。大切なのは、焦らず着実に治療を進めることです。
長期的な視点で、10年後、20年後も健康で美しい歯並びを維持できることを目指しています。
誤解5:矯正治療後は一生そのまま
矯正治療が終われば、その歯並びが一生続くと思われている方がいらっしゃいます。
残念ながら、これは誤解です。矯正治療で整えた歯並びを維持するためには、治療後のケアが非常に重要になります。装置を外した直後の歯は、元の位置に戻ろうとする力が働きやすい状態にあります。これを「後戻り」と呼びます。
後戻りを防ぐために、保定装置(リテーナー)の使用が必要です。保定期間は一般的に2年から3年程度ですが、その後も就寝時だけ装着を続けることで、より確実に歯並びを維持できます。また、定期的なメインテナンスも欠かせません。
歯並びは加齢とともに変化する可能性があります。親知らずの萌出、歯ぎしりや食いしばりの習慣、舌で前歯を押す癖などが、歯並びに影響を与えることがあります。当院では、保定期間中も定期的にチェックを行い、必要に応じて保定装置の調整や生活習慣のアドバイスを行っています。
矯正治療は、装置を外したら終わりではなく、美しい歯並びを維持するための新たなスタートです。患者様ご自身が口腔健康に対する意識を持ち、定期的なメインテナンスを継続することが、長期的な成功の鍵となります。

まとめ:正しい知識で安心の矯正治療を
矯正治療に関する5つの誤解について解説してまいりました。
抜歯の必要性、治療可能な年齢、痛みの程度、治療期間、そして治療後のケア・・・これらについて正しく理解することで、不安を解消し、前向きに治療に臨んでいただけるのではないでしょうか。
矯正治療は、単に歯並びを整えるだけでなく、咬み合わせの改善、虫歯や歯周病のリスク軽減、そして何より自信を持って笑える喜びをもたらします。Belle歯科・矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医としての専門知識と、大学病院の現場で培った経験を活かし、患者様一人ひとりに最適な治療計画をご提案しています。
矯正治療に関する疑問や不安がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。詳しい治療内容や無料相談については、Belle歯科・矯正歯科の公式サイトをご覧ください。皆様が自信を持って笑える健康で美しい口元の実現を、全力でサポートいたします。
著者情報
Belle歯科・矯正歯科 院長 竹内優斗
[経歴]
日本矯正歯科学会 認定医
近畿東海矯正歯科学会
インビザライン プラチナプロバイダー
兵庫県歯科医師会
神戸市歯科医師会
神戸市西区歯科医師会


