「最近、顎が痛い」「頭痛や肩こりがひどくなってきた」……こうした症状に悩まされていませんか?
実は、これらの症状の原因が「噛み合わせの悪化」にあることも少なくありません。
噛み合わせは、お口の中だけでなく、全身の健康に深く関わっています。放置すると、さまざまな不調を引き起こし、日常生活にも支障をきたす可能性があるのです。
この記事では、噛み合わせが悪いとどうなるのか、放置することで起こる6つの危険な影響と、効果的な改善方法について詳しく解説します。

噛み合わせが悪いとは、どういう状態なのか?
噛み合わせが悪いとは、上下の歯がうまく噛み合っておらず、物をかみ砕く効率が悪い状態を指します。
正常な噛み合わせでは、すべての歯でバランスよく力を分散しながら食べ物を噛むことができます。しかし、噛み合わせが乱れると、特定の歯に過度な負担がかかったり、顎の位置がずれたりするのです。
代表的な噛み合わせの問題には、以下のようなものがあります……
- 出っ歯(上顎前突)……上の前歯が前方に突き出している状態
- 受け口(下顎前突)……下の顎が前に出ている状態
- 乱ぐい歯・八重歯(叢生)……歯が重なり合ってデコボコに生えている状態
- 開咬……奥歯を噛み合わせても前歯が閉じない状態
これらの状態は、見た目だけの問題ではありません。発音や飲み込み、関節、さらには身体全体のバランスにまで影響を与えることがあるのです。
噛み合わせが悪くなる主な原因
噛み合わせが悪くなる原因は、一つではありません。
最も多い原因は「偏った噛み癖」です。人間の咬合力は非常に強く、本来はすべての歯で協力して力を分散しています。しかし、偏った噛み方をしていると、バランスが崩れ、過度な負担を受ける歯が出てきます。
また、以下のような日常的な習慣やクセも、噛み合わせを悪化させる要因となります……
- 頬杖をつく……頭の重さが歯やあごの骨にかかり、歯並びや噛み合わせに影響
- 爪を噛む……硬い爪を噛むクセは歯や歯ぐきに負担をかけ、前歯の歯並びや噛み合わせに悪影響
- 舌癖……舌で前歯を押したり、舌を出すクセがあると、前歯が突出したり、開咬になったりするリスクが高まる
- 歯ぎしり・食いしばり……歯やあごにとても強い力がかかり、歯がすり減ったり、ヒビが入ったりする
さらに、虫歯や歯周病で歯を失ったまま放置していると、残った歯が動いてしまい、噛み合わせがさらに悪化するという悪循環に陥ることもあります。

放置すると危険!噛み合わせが悪いことで起こる6つの影響
噛み合わせの悪化を放置すると、お口の中だけでなく、全身にさまざまな悪影響が及びます。
ここでは、見過ごせない6つのリスクについて詳しく解説します。
1. 詰め物・被せ物の寿命が短くなる
通常、すべての歯でバランスを取りながら噛んでいますが、噛み合わせが悪いと、部分的に過度の力がかかります。
その結果、詰め物や被せ物に負担がかかり、寿命が短くなってしまうのです。「修理が必要になる」「土台の歯にダメージがおよんで抜歯になる」といったリスクを負います。歯を失うと、インプラントや入れ歯などによる治療が必要になります。
2. 顎関節症のリスクが高まる
「口を開けたり、閉めたりするときにあごが痛い」「口を動かすと”ガクガク””シャリシャリ”と音がなる」「口を大きく開けにくい」……これらの症状は顎関節症の疑いがあります。
10代半ばから30代くらいの女性に多く見られる顎関節症は、その原因の一つとして噛み合わせの乱れや歯ぎしりが挙げられます。顎は大きな筋肉に支えられており、かつ上顎、下顎には三叉神経という太い神経が走っているため、噛み合わせが悪いと咀嚼筋のバランスが悪くなるのです。
3. 頭痛や肩こり、腰痛などの全身症状
噛み合わせのバランスが乱れていると、全身のバランスにも影響をおよぼします。
その結果、全身の各部位に負担がかかるので、頭痛や肩こり、首こり、背中の痛み、腰痛などさまざまな気になる症状が現れることがあります。咀嚼筋のバランスが悪くなると、そこから肩こり、頭痛に発展することも少なくありません。
4. 虫歯や歯周病のリスク増加
噛み合わせの悪い人は歯並びも悪いため、歯の間などに食べカスがたまりやすくなります。
磨き残しが多く、またよくかまないと唾液の分泌量も少ないので、虫歯や歯周病の原因になります。歯周病は歯を支えている骨が溶ける病気で、悪化すると歯が揺れ、進行すると歯が抜けることもあります。
5. ストレスの蓄積と精神的影響
噛み合わせが乱れていると、うまく噛めないので気づかないうちにストレスがかかることがあります。
また、全身のバランスがくずれやすいので、それもストレスになります。知らないうちにストレスが蓄積して、それがさらにさまざまな不定愁訴につながる危険性があるのです。正しいかみ合わせでよくかむと、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンが分泌されるといわれていますが、反対にかみ合わせがうまくいかないとそれだけで毎日イライラしやすくなります。
よくかまず顎を動かさないでいると脳への血流が低下し、集中力が低下したり、情緒不安定になったり、疲れやすくなることもあるので注意が必要です。
6. 胃腸障害や耳鼻咽喉疾患
咀嚼能率が悪いと食べ物をよくかまずに飲み込むため、胃炎、大腸炎などの胃腸障害も起こります。
また、出っ歯や受け口の人は唇が閉めにくく、口呼吸になりやすいことから、鼻炎や扁桃炎などの耳鼻咽喉疾患を併発することがあります。さらに、噛み合わせの悪化によって聴力が低下したり、耳鳴り、難聴、めまいなどの耳症状が現れることもあるのです。

噛み合わせのセルフチェック方法
自分の噛み合わせに問題がないか、いくつかの方法でまずはセルフチェックしてみましょう。
唇を合わせてチェック
上の唇と下の唇を合わせてみてください。唇の間から歯が見えてしまう、唇が閉じない、下唇を上の前歯でかんでしまう、上唇が下唇で隠れてしまう場合は注意が必要です。
下顎が極端に前に出ていたり、口に何かを頬張っているように見える人も、かみ合わせが悪くなっている可能性があります。
「イ」の口にしてチェック
奥歯をしっかりとかみしめ、「イ」の口にして口の両端を指で広げて、歯全体をチェックします。
上の歯と下の歯の間の隙間が開きすぎていないかを見てみましょう。一部でも下の歯が外側にあったり、上の歯と下の歯の隙間から舌が見えるほど開いている場合には、かみ合わせに問題があります。
割り箸でチェック
割り箸を前歯で横にかんだときに、割り箸が水平になっていればOKです。
割り箸が斜めになっている場合には、かみ合わせが悪くなっているかもしれません。また、割り箸をくわえて歯型をつけたときに、上下の中心点がずれていないかをチェックしてみましょう。この中心点がずれていたり、歯型自体がつかない場合、かみ合わせはあまりよくないかもしれません。
横顔をチェック
ボールペンや定規などを用意して、鼻の先から顎に当ててみます。
鼻の先と顎を結んだ線を「Eライン(エステティックライン)」といいますが、上下の唇が、このEラインのライン上か、少し内側にあるのが、歯列矯正学的には理想だといわれています。自分では見にくいので、写真を撮ってチェックしてみるといいでしょう。
これらのチェックで、かみ合わせに異常があると感じた人や不安に感じた人は、正しいかみ合わせを得るためにも、かみ合わせについて正しい知識を持つ歯科クリニックでの診断や治療をお勧めします。

噛み合わせの改善方法と治療の流れ
噛み合わせの治療は、まず原因を正確に把握することから始まります。
噛み合わせの乱れは、歯の治療による影響や生活習慣、ストレスなどさまざまな要因が絡みあって起こることが考えられます。その原因を把握して、取り除かないと再発してしまうのです。
診断のための検査
適切な診断のためには、噛み合わせが悪い時に出る口腔内症状と全身症状を調べ、客観的データとして見ていく必要があります。
まず口腔内では歯周病検査を行います。歯周病の進行度合い、ポケットの深さを調べ、噛みすぎている箇所を診断します。そのほか、全身症状に関しては聴力測定を行うこともあります。というのも噛み合わせの悪化によって聴力が低下することもあるからです。
さらに首の可動域、腕の上げ下げなど、体のバランスのチェックも行います。顎関節や周囲の筋肉などの触診も含め、状態を把握していきます。
治療の基本方針
噛み合わせ治療のゴールは「すべての歯でバランス良く噛めるようにすること」です。
抜けている歯・悪い歯があり、偏った噛み方をしている場合は、その治療を行い、バランス良く噛めるような口腔内環境をめざします。長年の偏った「噛み癖」を直すため、正しい噛み方の練習も必要です。
噛み合わせが良くなれば、歯周病・顎関節症の改善にもつながります。噛み合わせは全身症状とも関連するため、耳鳴り・難聴・めまい等の耳症状や、肩凝り・頭痛などの全身症状を把握しながら、治療を進めていきます。
矯正治療による改善
歯並びの乱れが原因で噛み合わせが悪い場合は、矯正治療が有効です。
当院では、日本矯正歯科学会認定医としての専門知識と経験を活かし、患者様にとって最適な治療計画をご提案しています。従来のワイヤー矯正装置に比べて目立ちにくく、痛みや違和感も感じにくい「インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)」にも対応しています。
ただし、マウスピースを使った矯正治療には注意点もあります。治療が進むにつれて生じるあごの位置の変化への対応が難しい点が挙げられます。しっかりと医師の指導に従ってマウスピースを装着しないと、歯並びや噛み合わせがきれいに整わないこともあります。
日常生活での予防と改善
噛み合わせの改善には、日常生活での習慣改善も重要です。
頬杖をつく、爪を噛む、舌で前歯を押すといったクセがあると、歯並びや噛み合わせが乱れてしまいます。これらのクセに思い当たるときは、できるだけ早く直すことが大切です。
また、成長期のお子さんの場合は、食事の際に両足が床につく状態にすることも重要です。イスに座って食事をするときは、電話帳や台などを足元に置いて足が床につく状態にしましょう。3~4ヵ月続けるだけで歯並び・噛み合わせがよくなるケースが報告されています。

Belle歯科・矯正歯科での噛み合わせ治療
当院では、最前線の現場で身につけた矯正治療の知見と、お口全体を診る1口腔単位の歯科治療を組み合わせることで、患者様のお口の健康、ひいては生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)の維持・向上を目指しております。
患者様との「お話の時間」を大切に
治療に対する患者様のご理解は、お口の健康のために必要不可欠です。
そのため当院では患者様とのお話の時間をとても大切にしています。生活スタイルや年齢に応じたオーダーメイド式の治療プランを共に考えます。
未来を見据えた総合治療のご提案
専門である矯正治療の知見を活かしながら、患者様の10年後、20年後を見据えた総合的な治療を提案します。
歯科治療の目標はただ病気を治すことではなく、長期的にお口の健康を保つことです。そのため患者様ご自身が口腔健康に対する意識を持つこと、そして定期的なメインテナンスを行うことが重要です。
日本矯正歯科学会認定医としての知識と経験
当院の理事長は日本矯正歯科学会認定医として、専門的な知識と経験を有しています。
その知識・経験を活かして、患者様にご満足いただける治療を行います。大学病院の現場で身につけた高い専門性を活用し、様々な症例に対応します。
院内併設の歯科技工室
院内に歯科技工室を併設しているため、詰め物・被せ物、入れ歯やインプラント、矯正装置などの製作物を精密かつ迅速に作製することが可能です。
これにより、患者様一人ひとりに最適な治療を提供することができます。
歯並びと口呼吸の関係とは?健康への影響と改善方法を徹底解説
公開日: 未公開
「お子さんがいつも口を開けている」「自分も気づくと口呼吸をしている」そんな経験はありませんか?
口呼吸は単なる癖ではありません。
実は歯並びや全身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。私たち歯科医師が診療の現場で日々目にするのは、口呼吸が原因で歯並びが悪化したケース、そして逆に歯並びの問題が口呼吸を引き起こしているケースです。この両者は密接に関係しており、放置すると悪循環に陥ってしまいます。
今回は矯正歯科の専門家として、口呼吸と歯並びの関係について詳しく解説します。なぜ口呼吸が良くないのか、どのような歯並びの問題を引き起こすのか、そして改善するための具体的な方法まで、皆様の疑問にお答えしていきます。
口呼吸が良くない理由
呼吸は「鼻」で行うことが本来の姿です。
口でも鼻でも呼吸できるため、どちらでも構わないと思われるかもしれません。しかし実際には、鼻は呼吸をする器官であり、口は食べ物を取り込む器官として考えられています。つまり口で呼吸をすることは、本来好ましくない状態なのです。
鼻呼吸では、鼻の粘膜や鼻毛がフィルターの役割を果たし、空気中のカビやダニ、ウイルスの侵入を防ぎます。一方で口呼吸をすると、これらの異物が直接体内へ取り込まれてしまうのです。その結果として免疫力の低下を引き起こし、様々な症状が現れる可能性があります。
例えば、アトピー性皮膚炎や喘息、胃炎や便秘、風邪やインフルエンザなどが挙げられます。
また口呼吸により口の中が常に乾燥してしまうため、唾液の作用が弱まり、虫歯や歯肉炎などのトラブルを引き起こすおそれもあります。唾液には口腔内を清潔に保つ重要な役割があるため、その機能が低下することは口腔健康にとって大きなリスクとなるのです。
さらに自律神経の乱れを引き起こすことも考えられるため、うつ病や倦怠感にも影響があるとされています。口呼吸によって口をぽかんと開け続けることで口の周りの筋肉が十分に発達せず、だんだん顔つきが変化してぼんやりとした表情になることもあります。
歯並びへの影響
歯並びが悪いことで口呼吸になることもありますが、その逆に慢性的な口呼吸が歯並びや顎の成長に影響を及ぼすこともあります。
すなわち、一度口呼吸の癖がついてしまうと、歯並びが悪くなり、さらに口呼吸がひどくなるという悪循環に陥り、自然治癒は難しくなってくるのです。本来、私たちの舌はほとんど口蓋(口の中の上側)におさまっていますが、口呼吸が習慣になっている人は、舌の位置がだらんと下がっていることが多いです。
あごや歯並びは、そもそも舌が適切な位置にあって、唇や頬からの圧力がかかることで望ましい形に発達していきます。しかし口呼吸だと舌の位置が下がりやすいので上あごがきちんと発達しにくくなります。これが歯並びにも影響を及ぼし、様々な不正咬合の原因になることがあるのです。
口呼吸になる原因
口呼吸を引き起こしている原因は人によってさまざまです。
原因として多い3つについて解説していきます。自分やお子さんがどのタイプに当てはまるのかを知ることが、改善への第一歩となります。
鼻がつまっている
口呼吸になってしまう原因で、最も多いといわれているものが鼻づまりです。風邪や花粉症などが原因で鼻づまりが起きると、鼻から空気を吸い込むことが難しくなるため必然的に口呼吸になってしまいます。鼻詰まりが治っても、口呼吸の癖が抜けずにそのまま口呼吸になってしまうケースも考えられます。
また、アレルギー性鼻炎などが原因で日常的に鼻がつまっている方は口呼吸をしている確率が非常に高くなります。アレルギー性鼻炎を治療するには、原因物質を特定する検査を行い、内服薬などを使い治療することができます。慢性化してしまうと、それが癖になり、口呼吸が習慣になることもあるため、早めの対処が重要です。
出っ歯や受け口などの歯並び
上顎前突(じょうがくぜんとつ・出っ歯)や下顎前突(かがくぜんとつ・受け口)の歯並びは、口呼吸になりやすいとされています。
上顎前突は、上あごが前に出ている場合だけでなく、下あごの成長不足や上の歯が前方に傾斜している場合が多いといわれています。3歳をこえても指しゃぶりが治らなかった場合や、爪を噛む癖のある場合、口呼吸をしていることなどが原因となることもあります。前に出た歯や舌が上唇を押し出してしまうため、自然と口が開いて口呼吸になってしまうのです。
下顎前突は、下あごが上あごより前にでている状態です。下の歯だけ舌で前に押されることで、下の歯と上の歯の歯列の大きさが合わなくなり、口が閉じにくくなるため口呼吸になってしまいます。歯並びに問題があるケースでは、力を入れないと口を閉じることができない人もいます。口を閉じたときにアゴのところにシワが出ていたら、それは無理な力を入れないと口が閉じられないということです。
口周りの筋力が弱い
口の周辺にある筋肉の衰えも、口呼吸になる原因のひとつです。
口の周りには、口輪筋(こうりんきん)や舌筋などの筋肉があります。口輪筋や舌筋が弱くなってしまう原因は、加齢による衰えや、子どもの頃から口呼吸の癖があることなどです。幼いお子さんは口周りの筋力が未発達でよく口が開いたままになっていますが、成長とともに口周りの筋力が鍛えられ、自然と口を閉じて鼻呼吸ができるようになります。
ところが幼い頃の口を開けたままの癖が治らない場合、成人しても口呼吸が続いてしまいます。口輪筋は、口を開閉したり、唇をすぼめたりするときにつかわれます。口輪筋が衰えると、口周りが緩んで口をきちんと閉じていられなくなるため、口呼吸になってしまうのです。
舌を上に持ち上げるためには「舌筋」という筋肉がつかわれます。舌筋が弱いと舌が低い位置にとどまりがちで、これは低位舌と呼ばれ、上あごの発達が阻害されて、狭窄や高口蓋の原因となる可能性があります。
口呼吸が引き起こす歯並びの問題
口呼吸は顎の形や舌の位置に影響を与え、だんだんと歯並びや咬み合わせにまで繋がってしまう可能性があります。
理由としては口呼吸により口周りの口輪筋や頬の筋力低下、口を閉じる力が衰えたりして、前歯を内側に抑える力が弱まったり、あごの骨の成長が妨げられたりするからです。具体的にどのような歯並びの問題が生じるのか、詳しく見ていきましょう。
開咬(かいこう)
開咬とは歯を噛み合わせた時に前歯の部分で上下に隙間ができてしまう歯並びのことです。
意識をして口を閉じようとしても間に指や舌がはさまるほどの隙間ができるため食べ物を噛み切りづらくなってしまいます。また、前歯に隙間ができるだけでなく常に口が開いている状態になるため口呼吸になることが多いことも特徴の1つです。開咬の原因は幼い頃の指しゃぶりや口呼吸などの舌癖により引き起こされます。
この舌の動きにより通常よりも歯列に強い力が加わってしまうため、歯の生え方に悪影響を与えてしまうのです。前歯の噛み合わせが悪いことで食べ物を噛んだ時に力がうまく分散されず奥歯に過剰な負担がかかってしまいます。そうすることで歯の劣化が早まり将来的には歯を失う可能性にもつながるのです。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突は上あごが突き出ている状態で出っ歯とも呼ばれるものです。
飛び出した前歯により口が閉じづらくなり口呼吸になりやすくなってしまいます。上額前突の原因は遺伝的要因などで上あごが大きかったり、下あごが小さかったりすることで引き起こされるものです。また、幼少期の癖で前歯が舌で押し出されるようになる指しゃぶりや爪を噛むことなども原因となります。
口を開けていると舌が落ちてしまい、力が均等ではなくなります。口呼吸の人は舌が下に落ちてしまっているため、内側から歯を押す力が足りません。そうなると歯に加わる力が均等でなくなり歯並びの乱れが生じます。口が開いている時間が長くなると、唇が歯を押さえる力が弱くなり、出っ歯になってしまう原因にもなるのです。
反対咬合(はんたいこうごう)
反対咬合は正しい噛み合わせと逆になっている状態であり、下の前歯が前に飛び出している歯並びです。
一般的には受け口とも呼ばれ、上額前突とは逆の状態で下あごが突き出ている状態です。下あごが上あごより大きく発達することや、下の前歯の生える向きが異なることなどが原因になります。上顎前突同様に幼少期の指しゃぶりなどの癖により歯列が押し出されて下の前歯が突き出た状態になってしまうのです。
本来の噛み合わせと逆になっているため食べ物をしっかりと噛むことができず、歯を支えるあごの骨にも過剰な負荷が掛かります。そのため、見た目の問題だけでなく負荷が過剰にかかることで歯の寿命を縮めてしまうリスクがあるのです。
歯列弓の狭窄
口呼吸はお口周辺の筋肉や歯列の正常な発達を妨げる可能性があります。
口呼吸を続けていると、顎や舌、頬などの筋肉が十分に使われず、顎の成長に悪影響を及ぼすことが多いです。口呼吸では、頬の筋肉(特に頬筋)の緊張が強く、内側への圧力が強くなります。この圧力が歯列弓を内側に押し込み、狭窄を引き起こします。正常な鼻呼吸では、舌は上あごに接して位置し、自然に上あごを広げる力を与えますが、口呼吸ではこの過程が妨げられる可能性があるのです。
鼻呼吸への改善方法
口呼吸を改善するためには、その原因に応じた適切なアプローチが必要です。
ここでは具体的な改善方法をご紹介します。自分やお子さんに合った方法を見つけて、継続的に取り組むことが大切です。
矯正治療で歯並びの改善
歯並びに問題があるケースでは、まず歯並びを治すことを先に行います。
物理的に口を楽に閉じられるように歯並びを治すことで、口呼吸の改善につながります。当院では日本矯正歯科学会認定医としての専門知識と経験を活かした矯正治療を提供しています。インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正装置)は従来のワイヤー矯正装置に比べて目立ちにくく、痛みや違和感も感じにくい傾向があります。
お子様の場合、6歳から12歳の「第Ⅰ期」と呼ばれる時期は、矯正治療においてとても大切です。10歳までに拡大床で歯列拡大をすることで鼻腔が広がり改善するケースもあります。この時期に適切な治療を行うことで、将来的な歯並びの問題を予防することができるのです。
舌の位置の改善とMFT
舌や口の周りの筋肉が弱いことが原因で口呼吸をしてしまうケースでは、口のまわりの筋肉と舌の筋肉を鍛えることが有効です。
当院では低年齢の子供の矯正治療には「癖を治すためのトレーニング」を行っています。まず、MFT(筋機能療法)で低位舌、異常嚥下癖、口唇癖などの癖を取り除くこと。そして、唇の閉鎖する力を向上させるためにリップルトレーナーを使用しています。最後に、それでも治らない場合は、T4K,T4Aなど機能的矯正装置を使用します。
低舌位とは、舌全体が下がってきている状態です。「サ・タ・ナ・ラ行」が発音しにくくなり、いわゆる舌足らずな話し方になります。低舌位などから異常嚥下癖が引き起こされ歯並びや顔つきの形成にも影響が出てきます。異常嚥下癖により頬や唇に部分的な強い力が加わるため、あごが引っ込み出っ歯になったり、あご自体が小さくなるなど、歯並びの乱れを引き起こします。
あいうべ体操
口周りの筋力を鍛えるための簡単な体操として「あいうべ体操」があります。
この体操は自宅で毎日実施することができ、継続することで口輪筋や舌筋を鍛えることができます。「あー」と口を大きく開け、「いー」と口を横に広げ、「うー」と口を前に突き出し、「べー」と舌を出す動作を繰り返します。熱心に取り組んだ場合、半年ほどで効果が現れてくることがほとんどです。
癖は、お母さんも私も衛生士も、無くて七癖、みんな持っているものです。なかなか治らないから癖なんですよね。癖に自ら気付き、衛生士さんと楽しみながらMFTトレーニング、治したいと思う心を育てることに力を入れています。
耳鼻科での治療
鼻炎や扁桃肥大などの病気があって鼻呼吸が困難な場合は、鼻呼吸が可能となるように耳鼻科での診察と治療が優先します。
扁桃肥大とは、のどにある口蓋扁桃(扁桃腺)と呼ばれるリンパ組織が通常よりも大きくなった状態のことです。扁桃肥大の子どもは、鼻から空気が流れ込みにくいので、その結果、口呼吸になりやすくなってしまいます。舌の位置や動きにも影響がある場合は扁桃腺の切除を検討しますが、扁桃肥大は10歳から12歳ごろがピークで、それ以降はだんだん小さくなるため、多くの場合は経過を見守ります。
口呼吸を放置するリスク
口呼吸を放置すると、歯並びの問題だけでなく全身の健康にも影響を及ぼします。
口呼吸により口腔内が乾燥しがちになり、唾液が行きわたらなくなった結果、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。重度の虫歯や歯周病になると、膿が発生するため口臭が発生してしまいます。また、歯並びが悪くなり、咬み合わせもずれることでしっかり咀嚼できないまま飲み込んでしまい胃腸への負担がかかります。
普段口を開けたままの癖がある方はおそらく睡眠時も口が開いているはずです。
特に仰向けで寝ると舌が沈下しいびきをかきやすくなります。いびきは無呼吸などの睡眠障害を起こしやすいので自然に横向きやうつ伏せになるといった姿勢をとるようになります。そうなると舌に支えられていない上顎の歯列は頭の重さで圧迫され狭くなり結果歯並びが悪くなります。ただ無意識に口を開けている習慣があるだけでも歯を動かすほどの大きな影響があるのです。
長期的な口呼吸は、いわゆる「アデノイド顔貌」を引き起こす可能性があり、これは歯並びにも影響します。また、口呼吸の習慣は、歯科矯正治療の効果を減少させたり、治療後の再発リスクを高める可能性があります。これらの理由から、鼻呼吸をすることは、健康な歯並びを保つ上で重要なのです。
Belle歯科・矯正歯科での取り組み
当院では、口呼吸と歯並びの問題に対して総合的なアプローチを行っています。
患者様との「お話の時間」を大切にし、治療に対する理解を促進しています。10年後、20年後を見据えた「未来を見据えた総合治療」の提案を行い、患者様のお口の健康、人生の質の維持・向上を目指しております。日本矯正歯科学会認定医としての専門的な知識と経験を活かし、大学病院の現場で身につけた高い専門性を活用し、様々な症例に対応します。
院内併設の歯科技工室により、詰め物・被せ物、入れ歯やインプラント、矯正装置などの製作物を精密かつ迅速に作製することが可能です。予防歯科を専門に学んだ歯科医師による「お口の健康サポート」も提供しており、病気の予防に重きを置いた治療を提供します。健康なお口を維持したい方を、私たちが全力でサポートします。
歯科治療の目標はただ病気を治すことではなく、長期的にお口の健康を保つことです。そのため患者様ご自身が口腔健康に対する意識を持つこと、そして定期的なメインテナンスを行うことが重要です。矯正からむし歯、歯周病、歯の色のお悩み、お子様のお口の健康まで、何でも気軽にご相談ください。
まとめ
口呼吸と歯並びは密接に関係しており、放置すると悪循環に陥ってしまいます。
口呼吸は単なる癖ではなく、歯並びや全身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。原因は鼻づまり、歯並びの問題、口周りの筋力低下など様々ですが、それぞれに適切な改善方法があります。矯正治療、MFT(筋機能療法)、あいうべ体操、耳鼻科での治療など、原因に応じたアプローチを行うことで改善が可能です。
早期発見・早期治療が重要です。
特にお子様の場合、6歳から12歳の時期は矯正治療においてとても大切な時期となります。この時期に適切な治療を行うことで、将来的な歯並びの問題を予防することができます。口呼吸や歯並びにお悩みの方は、ぜひ専門の歯科医師にご相談ください。
皆様が自信を持って笑える健康で美しい口元の実現を目指し、全力でサポートいたします。
詳しい治療内容や相談については、Belle歯科・矯正歯科までお気軽にお問い合わせください。
まとめ
噛み合わせの悪化を放置すると、お口の中だけでなく、全身にさまざまな悪影響が及びます。
詰め物・被せ物の寿命短縮、顎関節症、頭痛や肩こり、虫歯や歯周病のリスク増加、ストレスの蓄積、胃腸障害や耳鼻咽喉疾患……これらの6つのリスクは、決して見過ごせるものではありません。
セルフチェックで噛み合わせに異常を感じたら、早めに歯科医院での診断を受けることをお勧めします。適切な治療と日常生活での習慣改善により、噛み合わせは改善できます。
当院では、日本矯正歯科学会認定医としての専門知識と経験を活かし、患者様一人ひとりに最適な治療計画をご提案しています。矯正からむし歯、歯周病、歯の色のお悩み、お子様のお口の健康まで、何でも気軽にご相談ください。
皆様が自信を持って笑える健康で美しい口元の実現を目指し、全力でサポートいたします。
噛み合わせでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。詳しくはBelle歯科・矯正歯科までお問い合わせください。
著者情報
Belle歯科・矯正歯科 院長 竹内優斗
[経歴]
日本矯正歯科学会 認定医
近畿東海矯正歯科学会
インビザライン プラチナプロバイダー
兵庫県歯科医師会
神戸市歯科医師会
神戸市西区歯科医師会


