歯科医師によって最善の治療結果につなげられる分野だと思ったからです。

歯学部に進み、色々な分野について学んでいくうちに歯科医療においては、患者様ご自身が治療の中心になる場合が多いことを知りました。

例えばむし歯や歯周病は、患部を削ったり、歯石を取り除いたりといった治療は歯科医師の仕事ですが、その後お口の健康を維持するには患者様ご自身が丁寧に歯磨きをしたり、定期的に歯科医院に通ってメインテナンスを受けたりすることが大切です。

対して矯正科の治療は歯科医師が立てた治療計画が間違っていれば絶対に満足のいく結果は出ませんが、逆に言えば計画をきちんと立てさえすれば最善の結果にしっかりつながる場合が多いです。

もちろん患者様のお口の健康のためにはどの分野も必要不可欠ですが、自分が進むのなら矯正治療がやりたいと思いました。

はい。当院に通常の治療方法では対応できない方がいらしても、「これなら○○科の先生と○○科の先生に相談をして、□□□□をすれば治せるかもしれない」というお話ができます。

お口の健康は生活の質（クオリティ・オブ・ライフ）に大きく影響します。仮に当院で全ての問題を解決できなくても、「解決策がある」という提案ができることには大きな意味があると考えています。

患者様からのご質問に、即座に答えられる知識を持つことです。インターネットはもちろん、書籍の中にも正しい情報と間違った情報が混在しています。私たち専門家の仕事は、その中から正しい情報だけを患者様にお伝えすることです。

そのため矯正治療に関することだけでなく、歯やお口に関することならどんなご質問でも答えられるよう、日々勉強を欠かさないようにしています。

例えば「歯周病が原因で何本も歯が抜けてしまい、その部分にインプラントを入れたい」というケースです。

インプラントは天然の歯以上にメインテナンスが重要です。そのため歯周病が治っていない状態でインプラントを入れると、インプラントの周囲に炎症を起こして、埋入したインプラントが抜けてしまう可能性が高いのです。

そのためこういったケースでは、まず歯周病を治し、正しいセルフケアができるようになっていただいた後で再度インプラントを検討することになります。

「インプラントを入れて欲しい」という患者様にとっては遠回りに感じるかもしれません。しかし患者様の10年後、20年後に貢献できる歯科治療を考えるなら、こちらの方が近道なのです。